国際情報

台湾の防衛費が7年連続で過去最高更新 中国軍機の侵入対応で航空燃料費は大幅増、高まる中台間の緊張

中台間の緊張が高まる

中台間の緊張が高まり台湾の防衛費も7年連続過去最高を更新

 中国人民解放軍が軍用機による台湾の防衛識別圏侵入を繰り返し、台湾軍機がスクランブル(緊急発進)をかける回数も年々増加している。そのため、来年の台湾軍の燃料費予算は前年比56%増の110億台湾元(約500億円)にも達する見通しであることが明らかになった。

 台湾では来年1月に総統選挙を控えており、選挙の動向次第では中国が攻勢を強めてくる可能性があるとして、来年の国防予算は大幅に増加することが確実だという。台湾紙「中国時報」が報じた。

 台湾周辺では中国軍機などによる威嚇行為や軍事演習が活発化し、台湾の軍機のスクランブルや海軍による警戒警備の回数が激増して、これに伴い防衛のためのコストが膨らんでいる。

 台湾の国防省の発表によると、中国軍機が2021年の1年間で台湾の防空識別圏に進入した回数は850回以上だったが、すでに今年上半期だけで900回近くに及び、2021年の侵入回数を超えている。

 このため、台湾の空軍と海軍が偵察や哨戒、その他の任務のために使う燃料費として、今年は71億台湾元(約320億円)を計上しているが、不足することが考えられることから、2024年度にはおよそ110億台湾元(約500億円)と大幅に膨れあがる見込みだという。

 中国の場合、無人機の1時間当たりの燃料コストは約5000人民元(約10万円)とされるが、台湾軍機の最低コストは日本円で同16万円、台湾空軍が採用しているフランス製のミラージュ戦闘機の場合は同80万円と、中国に比べて燃料コストが割高となっている。

 台湾の行政院は8月25日、2024年の防衛費を過去最高となる総額6068億台湾ドル(約2兆7700億円)とする予算案を閣議決定した。これは2023年に比べると4.6%増となる。防衛費の増加は7年連続で、予算案は立法院(国会)での審議を経て、年内に正式決定する見通しだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン