放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2024年に還暦を迎える出川哲朗について綴る。
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8月も終わりだというのに“関東お笑い界”では次々とトピックスが。「黄色いおバカさん」で親しまれ愛された林家木久扇(85)が来年3月をもって『笑点』を卒業。なんと出演歴54年である。初代司会者立川談志から三波伸介らを経て今の昇太まですべて珍答迷答していき爆笑とったりすべりまくったりしてきた。何をやっても許されるラーメン屋さんでもあった。
現在テレビの中で同じポジションにいるのが「やばいよ、やばいよ」を日本一広めた横浜の海苔屋の若旦那、出川哲朗。初めての冠番組といえる「充電」番組。スイカのヘルメットをかぶってバイクに人柄の良さも乗せて日本中をまわっている。あの番組が当たったので出川自身の人生も相当充電できた感がある。日本中から愛される……とも言うがその昔は「日本一抱かれたくない男」の1位を常に江頭2:50と競っていたっけ。そう想うと昔日の感。親友だったダチョウ倶楽部の上島竜兵がいなくなったという寂しさも、より出川にひかれる要因かも。
そんな出川も来年2月にはなんと還暦。60歳のお爺ちゃんである。見るに見かねて盟友・内村光良らがニッポン放送と相談して、当人には内緒であの大きな横浜アリーナを押さえてしまった。コピーに曰く“出川哲朗の還暦を祝う60年に1度の祭り。出川ゆかりの芸人たちがリアルガチに大集結”とあってタイトルも『男・出川哲朗還暦祭りin横浜アリーナ』。きいた我々もおどろいたが、当人が生放送でいきなり読まされて一番びっくりしていた。自分のイベントまでがどっきりという人生なのだ。みんなのおもちゃ。
哲ちゃんのためならと駆けつけるのはウッチャンナンチャン、有吉弘行、ナインティナイン、さまぁ~ず、バカリズム、ナイツ、堀内健(ネプチューン)、土田晃之、狩野英孝、三四郎、中岡創一(ロッチ)、いとうあさこ、ダチョウ倶楽部らみごとな“関東お笑い勢”。特番だったら5本くらい作れそうな面々である。2024年の1月14日(日)、横浜アリーナ。1万2000人を集める。前売りアッという間にあとわずか。凄い。
出川が横浜アリーナに人を集めれば、浅草東洋館にもポチポチ人を集めるのが漫才協会の新会長ナイツ塙。情報解禁になったので(8月28日付日刊スポーツ)発表します。私とのトークショーなどずっとカメラをまわしていて来年3月、ドキュメンタリー映画『漫才協会 THE MOVIE』となって塙監督で公開が決まりました。呉呉もよろしく。
※週刊ポスト2023年9月15・22日号