「ぼくは表に立っていく人間」
新体制のジャニーズでは新しい社長のもとで「東の嵐」と「西の関ジャニ∞」が大所帯を率いる。そして東西のジャニーズをまとめるのが、新社長の役割だ。
東山がジャニーズ事務所に入所したのは1979年、12才のときだった。
「街中を歩いていたところをジャニーさんに声をかけられスカウトされたことがきっかけだったといいます。少年隊として『仮面舞踏会』でレコードデビューを果たしたのは1985年。爆発的な人気を誇り、ソロでも数々のドラマや映画、舞台などを中心に活躍してきました」(前出・芸能リポーター)
かつては、“ジャニーズの長男”といえば近藤真彦(59才)を置いてほかにはいなかった。自身も「ジャニーさんの跡継ぎ」と公言していたが、2020年に不倫騒動でバッシングを浴び2021年に退所したことで“次男”の東山が事務所内部で序列のトップに躍り出た。もっとも近藤とは違い、東山は経営側に回ることは考えたこともなかったという。
「2020年11月に放送された『サワコの朝』(TBS系)に出演した東山さんは『ぼくはまったくそういう(裏方に回る)のは考えてない』ときっぱり否定し、自身の立場について『出る側にいて、表に立っていく人間』と断言していました。一方で、カーレースに夢中になっていた近藤さんと比べ、後輩の指導には熱心でした。2018年1月に帝国劇場でジャニーズJr.が行った新春公演に特別出演し、40人のJr.を引き連れて登壇した会見で仮面舞踏会を披露したこともありました」(前出・芸能リポーター)
関連会社の社長に滝沢秀明(41才)や井ノ原が就いた例はあるが、ジャニーズ事務所本体において現役の所属タレントが役員に就いたことは一度もない。
「同族経営に強いこだわりを持つメリー喜多川前会長の方針でした。1997年にジャニーズ・エンタテイメントレコードが創設された際、所属タレントでは近藤さんと少年隊の3人だけに株を与えられたことがありましたが、事務所への貢献が評価された特殊なケース。東山さんが本体の社長になることは、それ自体が大きな変革を意味しています」(前出・芸能関係者)
40年以上、ジャニーズに籍を置き、所属タレントの中でもっともジャニー氏やジュリー氏に近い存在だった東山の社長就任には、当然、厳しい視線も向けられる。
東京・赤坂にたたずむジャニーズ事務所の旧本社ビル。玄関の青いひさしに燦然と輝く《ジャニー・アンド・アソシエイツ》のロゴは、ジャニー氏の名前を冠した歴史ある社名だ。今年5月、その社名を変える必要性をいち早く指摘したのは東山だった。前述の『サンデーLIVE!!』で東山はこうコメントした。
「ジャニーズという名前を存続させるべきかを含め、外部のかたとともに、すべてを新しくし、透明性をもってこの問題に取り組んでいかなくてはならないと思います」
ジャニーズの信念は「エンターテイメントを通じて世界中に幸せをお届けする」こと。新体制でもその思いは受け継がれ、グループの再編成や派生ユニットの結成などの新しい試みも検討されているという。
逆風にさらされ、過去と対峙することで生まれ変わるジャニーズは、今後どんな進化を見せてくれるのだろうか。
※女性セブン2023年9月21日号