昨年ドラマ化され大きな話題を呼んだ「ミステリと言う勿れ」が、9月15日についに映画となって公開される。描かれるのは、原作でも人気の通称「広島編」。ドラマでも話題になった、主人公・久能整が見せる“おしゃべり”にも注目だ。そこで、原作者の田村由美先生にお気に入りのシーンを選んでいただいた。
●「悪意で言ってないのはわかってます。でも問題はそこじゃないんで。こっちがイヤなら それは迷惑なことなんです」(3巻エピソード4-4より)
親切心から“洗濯物を洗ってあげる”と言う汐路に、整が答えた言葉。整の性格がのぞけるセリフだが、共感できる人も多いのでは。
●「弱くて当たり前だと 誰もが思えたらいい」(4巻エピソード4-5より)
事件の影響が全くないと強がる汐路に、アメリカと日本を比較しながら“弱さを認める”大切さを説いた整。汐路だけでなく、読者の心も軽くさせた言葉ではないだろうか。
●「だから下手だと思った時こそ伸び時です」(3巻エピソード4−4より)
自分の絵の才能に限界を感じている汐路に、整がそっと話した言葉。整の“おしゃべり”が、こうして周囲の人の背中を押すことも。
●「子供って乾く前のセメントみたいなんですって」(2巻エピソード3より)
喧嘩の場面に出くわした少女に、トラウマを与えないようなケアをしていた整。その理由を児童心理学者の言葉を引用してこう話す。“子供の心”というセメントに跡をつけないよう、気遣いが感じられる場面だ。
※女性セブン2023年9月28日号