9月14日、あるX(旧Twitter)ユーザーが、大手デリバリーサービス「出前館」を利用した際に起きたトラブルを告発した。当該ユーザーのAさんは〈出前館にスシロー注文したら配達員がとうちしてありえない事してた!崩れた寿司を素手で直して普通の顔して寿司運んできた〉〈注意して作り直してきたが食えるか!!〉(原文ママ)と動画を投稿した。動画は、「出前館」の配達員らしき男性がバイクのリアボックスに乗せた寿司に触れるところをとらえており、男性がビニール手袋などを着けている様子はない。
Aさんが注文した寿司は「スシローセット 12種 2人前(24貫)」で7320円の商品だ。配達中の揺れでネタがシャリから落ちたのだろうか、動画には、容器内に置かれた寿司を配達員が素手でひとつひとつに次々とタッチし、形を整える様子がうつされていた。なかにはイカのネタをペロンと手掴みでシャリの上に戻す瞬間も。Aさんに経緯を聞いた。
「外に到着した配達バイクをなんとなく見ていたら、不審な動きを始めたので、慌てて動画を撮影しました。配達員が『出前館でーす』と普通にやってきたので、自分が『これ何してんの? ありえないよね?』と動画を見せると、『消毒はしたんで!』と言い返されました。
『そういう問題じゃないし、気持ち悪くて食べられないよね』と伝えると、『作り直してきます』と返され、『もういらない』と言ったものの、『次は大丈夫です』と行ってしまいました。1時間ほどで新しい寿司が届きましたが、また同じ配達員が来たのに驚きました。さすがに食べる気にはなれず、『出前館』にクレームを入れました」
Aさんが「出前館」に問い合わせた結果、〈今後このようなことが無いよう配達員への指導を徹底し再発防止に努めさせていただきます〉や〈対応した配達員を特定出来ましたため、弊社の基準に従い厳重な処置をさせていただきました〉といった謝罪のメッセージが届いたという。また、返金対応も行われたという。
「出前館」は、全国で10万店舗以上が加盟するデリバリーサービス。日本最大級の規模を誇る一方で、配達員がトラブルを起こす例も少なくない。全国紙社会部記者が語る。
「配達員たちは、業務委託の形で働いています。専用ページから応募して本人確認書類などを登録した後、研修動画を視聴し、簡単なテストを終えたら、最短3日で配達員として働くことができます。そんな手軽さが副業として人気を集めていますが、そのぶん責任感や常識に欠けた人間が配達員になり、トラブルを起こす例もあります」
Aさんが注文したという「スシロー」に問い合わせたところ、「SNSへの投稿内容については把握しており、事実確認中」とのことだった。
「出前館」に問い合わせると動画については確認済みで、Aさんへの対応については「お客様には謝罪を申しあげ、当該配達員に対しては弊社の基準に従い厳重な処置をしております。14日の夕刻に出前館本部が該当の動画情報を伺い、カスタマーセンターに確認を行い内容を把握したため、その後にお客様への謝罪とご返金の連絡をさせていただいたという状況でございます」と回答。さらにこの配達員については「今回の該当配達員に対しては弊社の基準に従い厳重な処置をしております」と答え、なんらかの処置を行ったことがわかった。
また一連の騒動について「この度はお客様並び利用者の方々にご不快な思いおかけし申し訳ございません。配達員の指導の徹底に努めてまいります」と謝罪した。
*9月15日19時ごろ「出前館」より回答があったので追記しました。