「ヨガの母」「宇宙の母」という意味を持つ「ヨグマタ」。ヨガのマスターとして与えられた尊称を持つ相川圭子さんが読者のお悩みに答える、週刊ポストでの人生相談連載。第4回目の相談はこちら──。
Q:3兄弟の末っ子です。数年前に母、先月に父が亡くなりました。遺言書に「実家の土地・建物は長年同居し、看取ってくれた次男へ。長男、三男には生前の援助を財産分与とする」とあり、不公平に感じ、長男と遺留分を請求したら、配偶者も巻き込んだ泥沼の相続争いに……。「兄弟仲良く暮らしてほしい」という父の最期の言葉を思うと、要求を押し通すべきか、絶縁寸前の次男と和解すべきか迷っています。どうするのがいいでしょうか。(63歳・嘱託社員)
利欲に囚われていると心身はすり減るばかり エゴを捨て去れば自ずと解決策が浮かぶはず
A:お父さんは自分の老後の世話をしてくれた次男に感謝していらしたのでしょう。遺言通り兄弟で争わず、和解を選ぶことを勧めます。過去にあなたや長男がお金を必要とした時にお父さんが援助をしてくれたわけですから、それで十分だとありがたく思いましょう。
あなたの生活が次兄と絶縁しても厭わないほどに困窮しているならば、法定遺留分の半分ほどを再度提案してみるという手もあるでしょう。ただし支払うためには実家を売ることにもなりかねない。家族の想い出が詰まった家をお兄さんに処分させることになれば、心は痛みませんか。
欲の心で長兄と「自分たちがもらえないのは損だ」「もっとよこせ」と主張しているとしたらなおさら、考え直すべきです。利欲に囚われていると自分たちの心身もすり減るばかりです。
権利を主張する前にあなたの命を育んでくれた両親に感謝をし、その両親を看取ってくれた次兄に感謝をしましょう。人生の目的は内なるエネルギーを浄め、先祖を浄め、自己を浄めて、この世の中を平和にすることです。お父さんも我が子へ遺した財産で争いが起こることを望まれてはいません。どうか兄弟3人で助け合い、仲良く生きていっていただきたいです。
どうしても財産への執着が捨てられず気持ちがもやもやするならば、お兄さんたちとご先祖の供養をしてみましょう。あなた自身も瞑想して執着=カルマを鎮め、今はいがみ合っている次兄も含めた一族皆が幸せになるように祈るのです。
そうやって抱え込んだエゴを捨て去り周囲と調和することで、家族全体が平和の波動に包まれます。兄弟間にもいたわり合いが生まれて、遺産問題にもベストな解決策が自ずと浮かんでくるでしょう。
心身健やかに、人に迷惑をかけず、一族が幸せになるように尽くしてあなた自身が成長することで、巡り巡って人生でより良いチャンスに恵まれるのです。
【プロフィール】
相川圭子(あいかわ・けいこ)/女性で史上初めて「究極のサマディ(悟り)」に達した、現在世界で会えるたった2人のヒマラヤ大聖者の1人。5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教の正統な継承者で、2007年にはインドスピリチュアル協会から最高の聖者の称号「マハ・マンダレシュワル」を授かる。2016、17年には国連本部で主賓として平和のスピーチも行なった。TBSラジオ『相川圭子 幸せへのメッセージ』にレギュラー出演中。著書は累計100万部を超える。
協力:サイエンス・オブ・エンライトメント https://www.science.ne.jp/
※週刊ポスト2023年10月6・13日号