侍ジャパンの次期監督候補が井端弘和氏(48)で一本化されたとスポーツ各紙で報じられた。今年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本を2009年大会以来の世界一に導いた栗山英樹氏(62)は、任期満了で退任。強化委員会は当初8月末を目処に後任を選定する方針を示していたが、なかなか決まらない状況が続いていた。スポーツ紙デスクが語る。
「候補として、工藤公康氏(60)をはじめ井口資仁氏(48)や古田敦也氏(58)などの名前が挙がっていましたが、首を縦に振る人がなかなか現われなかったらしいです。さらに9月になって栗山氏に再任が打診されたと報じられました。候補者選びがうまくいっていないことの証左でした。そうした苦労の末、漸く井端氏に一本化されたのです。ただ井端氏の内定が決まったとはいえ、これはあくまで“つなぎ”らしく、任期は1年程度だと聞いています」
つまり2026年のWBCは別の人物が監督を務めている可能性が高いという指摘である。別のスポーツ紙デスクはこう言う。
「阪神の岡田彰布監督(65)が代表監督も兼任すればいいのではという球界関係者もいます。現役監督はスケジュール的に難しいということで候補から外れやすいですが、井端氏の“つなぎ”によって後任監督は任期が短くて済むので、負担が減る。仮に岡田監督が来年、再来年と阪神の監督を務めることになったとしてもオファーしやすくなった。間近で選手を見ている人が監督を務めるべきという声もありますし、何と言っても優勝から遠ざかっていた阪神を就任1年目で優勝に導いた実績がある。過去には王貞治氏(83)や原辰徳氏(65)も兼任していたので、可能性はゼロではないでしょう」
2011年に「打診」されていた
星野(仙一)阪神で岡田氏とともにコーチを務めた経験のある達川光男氏も“岡田ジャパン”の誕生に期待するひとりだ。
「現役監督は大変じゃろうが、岡田監督は適任だと思うよ。選手をよく観察して適材適所で使える。メンバー集めも任せたら素晴らしいチームになる」としたうえで、こう語る。
「今回優勝したことで、最初は怖がっていた阪神の若い子が“岡田監督の言う通りにやれば勝てるんだ”ということになった。その阪神の選手が躍動する姿を見て“岡田監督は厳しいことを言うけど、芯は優しい。野球をよく知っている”という目で日本中のプロ野球選手が見るようになったよね。優勝したことで株が大きく上がった。
今シーズンは投手を柔軟に起用することで勝ち星を重ねていますが、投手がカギを握るWBCではその長所が存分に生かされると思うね。そして何と言っても監督に不可欠な“カリスマ性”がある。昭和30年生まれ以降の監督では一番じゃないですかね。
それにエンゼルスの大谷翔平(29)のようにWBCに出場したシーズンにケガをする選手が出てくると、メジャー球団が参加を認めないケースも考えられる。国内選手からの信頼が厚い岡田に任せて“オールNPB”で戦ってもいいんじゃない」
岡田氏は、当時オリックス監督を務めていた2011年に侍ジャパンの監督就任への打診があったが断わったと後に告白している。もし今回も岡田氏に打診があれば──侍ジャパンのユニホームでグラウンドに立つ日は来るのか。
※週刊ポスト2023年10月6・13日号