中国の高級酒「茅台酒」を使った“茅台アイス”が、中国の若者の間で大ブームとなっている。さらに、茅台アイス大流行をきっかけに、アイスばかりでなく、茅台酒入りのラテやボンボンショコラも登場し、中国では北京など大都市を中心に新たな茅台酒ブームに沸いているという。中国共産党機関紙「人民日報」が報じた。
茅台酒は白酒(パイチュー)の一つで高粱(コウリャン)を主な原料にした蒸留酒、アルコール度数は50度以上と高い。宴会に用いられことが多く、かつて北京で行われた日中国交正常化交渉の際、当時の周恩来首相と田中角栄首相らが交渉成功を祝って乾杯したことでも有名だ。最高級酒である茅台酒は、日本円で10万円ほどすることもあり、限られた高級料理店で重要な宴会などで出されるようになった。
しかし、習近平政権になって、こうした宴会が汚職のきっかけになっていると批判を受けたことから売り上げが低迷。この苦境を脱するべく、製造元の茅台グループが「若者をターゲットにできないか」と考えたアイデアが、「茅台アイス」だった。
昨年夏に登場した茅台アイスは1個66元(約1300円)とアイスとしては高価だが、高級酒のイメージチェンジが話題を呼び、中国国内のアイスクリーム市場でたちまちブームを巻き起こした。すでに1000万カップを売り上げ、今年8月末に茅台アイスクリーム上海旗艦店がオープンするなど、その勢いが加速している。
茅台グループでは、茅台酒と瑞幸珈琲(ラッキーコーヒー)のコラボ商品「醤香(白酒の香りの種類の一つ)ラテ」も発売。このラテには茅台酒風味のミルクが使用され、価格は38元(約760円)。
さらに、9月16日から茅台酒と中国のチョコレートブランド「徳芙(Dove)」のコラボ商品「茅台ボンボンショコラ」が発売され、ネット上では1日の検索ランキングで1位となったという。