薬に頼らない血圧降下を目指す際に、「運動」が重要になるのはなぜか。『ドクターズスクワット』(アスコム)の著者で整形外科医の吉原潔医師(アレックス脊椎クリニック院長)が言う。
「欧州心臓病学会では、運動には薬と同等の血圧降下作用があり、高血圧予防のために毎日継続することが推奨されています。運動により下半身の大きな筋肉に刺激を与えることで全身の血流がよくなり、血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)が多く分泌されて高血圧が改善される」(以下、「 」内は吉原医師)
ただし、そうした運動習慣は一朝一夕で身につくものではない。運動するのは億劫だが、血圧は下げたい──そうしたズボラな人向けに吉原医師が考案したのが「ドクターズスクワット」だ。
「血圧を下げるには有酸素運動がいいと言われますが、ウォーキングなら20分以上と、時間がかかるのが難点。ドクターズスクワットは1日1回30秒だけ、むしろ“30秒しかやってはいけない”というのがミソです。敷居を低くすることで、運動習慣のない人の入り口になると考えています」
その言葉通り、ドクターズスクワットの基本は「しゃがむ」「立つ」の2つのポーズを繰り返すだけ。それを1日1回30秒だけやるのだという。
ただ、こうした動きは瞬間的にいきむことで、急な血圧上昇を招くリスクもある。ひざなどに痛みがある場合は立ち上がる動作が難しくなる。そこで本誌『週刊ポスト』は、そうした人でもできるスクワットを考案してもらった。