巨人の監督人事が風雲急を告げてきた。9月29日のオーナー会議後、巨人の山口寿一オーナーが来季も原辰徳監督に指揮を任せるかと聞かれ、「来季のことは真剣に考えなきゃいけないと思ってます。契約についてどう考えるかも含めて真剣に考える必要がある。まだ試合も残ってますから、今日の段階でそれ以上のことは言えない」と話した。
この時点では順位が確定していなかったが、同日のナイトゲームで3位・DeNAが阪神に勝ち、巨人の4位が決まった。2年連続Bクラスは球団史上2度目となる。
「これまで今年3年契約2年目の原監督は来季の続投が既定路線でした。たしかに今シーズンは、打撃陣では秋広優人や門脇誠、投手陣では山﨑伊織など若手が育ってきたが、同一監督で球団史上初の2年連続Bクラスという事実は重い。これを山口オーナーがどう受け止めるかが焦点でした。29日の発言で一気に情勢が変わった。契約途中での原監督退任も現実味を帯びてきました」(NPB担当記者。以下同)
原監督は最近3シーズン優勝から遠ざかっている。巨人の同一監督での3年連続V逸は過去に、1978年から1980年までの長嶋茂雄監督、1984年から1986年までの王貞治監督、1997年から1999年までの長嶋茂雄監督、2016年から2018年までの高橋由伸監督の4例がある。
「この中で1度目の長嶋監督と高橋監督は、その年で辞めています。就任からの3年間で一度も優勝できなかった王監督は進退伺を出しながらも正力亨オーナーに引き留められました。巨人としては“世界のホームラン王”に泥を被せたまま辞めさせるわけにはいかなかった。
2度目の長嶋監督は1998年オフに森祗晶監督への交代がほぼ決まっていましたが、急転直下で留任しています。1度目の時の解任で読売新聞の部数が大幅に下落した過去があり、この時も『長嶋今季限り』の報道が出ると、ファンの反発は大きかった。そのため、渡邉恒雄オーナーが続投を決めたと言われています。つまり、ONという巨人の歴史に燦然と輝くスター選手だから、3年連続V逸でも監督を続けられたのです」
原監督は3年契約だが、契約期間途中での解任はあり得るのか。
「巨人は基本的に契約年数を全うさせる球団ではあります。ただ、2004年に就任した堀内恒夫監督は3年契約でしたが、1年目3位、2年目5位で辞任しました。今回のオーナー発言もあって原監督自ら進退伺を出す可能性が高くなったと思います」