来シーズン、巨人監督は誰が務めるのか──。9月29日、巨人の山口寿一オーナーが原辰徳監督の続投について明言を避けた。今季の若手育成には一定の評価をしたものの、「来季のことは真剣に考えなきゃいけないと思ってます。契約についてどう考えるかも含めて真剣に考える必要がある。まだ試合も残ってますから、今日の段階でそれ以上のことは言えない」と監督人事の急展開を匂わせた。
今季3年契約2年目の原監督は球団史上初の同一監督による2年連続Bクラスに甘んじ、2021年から3年連続で優勝を逃した。まだ続投の可能性もあるが、早くも来季の監督候補には桑田真澄ファーム総監督(55)、工藤公康・ソフトバンク前監督(60)など複数の名前が挙がっている。そんな中、1990年代から何度も監督就任が噂されてきた江川卓氏(68)も候補の1人とされる。
「現役引退後、70歳近くまで一度もユニホームを着ないで監督になった例は記憶にありません。しかも、70歳で監督を務めた人も仰木彬さんや野村克也さんなど数えるほどしかいません。彼らはそれまでに実績を残してきたから請われた。江川さんは指導者としての実績がゼロなのに、未だに監督待望論が湧き上がる。それほど魅力のある人材とも言えます。ただ、年齢を考えても今回がラストチャンスでしょう」(ベテラン記者)
1987年の現役引退以来、江川氏には指導者の就任の噂が何度もあった。1992年オフの長嶋茂雄監督の巨人復帰時、2003年にはアテネ五輪に向けての長嶋ジャパン発足時にいずれも投手コーチとして名前が挙がっていた。
アテネ五輪でコーチ就任の噂もあったが…
江川氏は今年1月更新のYouTubeチャンネルで、元ヤクルトの宮本慎也氏をゲストに招いた際に「アテネの時、お話あったでしょ?」と聞かれている。江川氏は相手に質問を重ねながら話をはぐらかしていたが、「資料見ていたら(宮本氏が)アテネ出ていらっしゃるから、そういう話は出ないだろうなと思ったら、出ましたね」と漏らした。
「当時は週末の『スポーツうるぐす』(日本テレビ系)に出演していましたが、だからといってコーチになれないわけではない。番組としても江川さんが五輪代表のコーチになったほうが注目度も増し、プラスになります。しかし、江川さんは監督以外をやる気は元々ない。投手コーチは全てを任せられるわけではなく、最終権限は監督にある。コーチはいわば中間管理職のような立場で、自分の思い通りの野球ができるわけではない。『指導者になるなら全ての責任を背負う監督で』という想いがあるそうです」(球界関係者)