巨人・原辰徳監督はあと2試合、3年連続負け越しという不名誉な記録は、なんとしても避けたいことだろう。10月1日、巨人は岸田行倫のホームランでヤクルトに1対0で勝った。松田宣浩の引退試合を白星で飾り、連敗を3でストップさせた。現在69勝70敗2分のチームは残り2試合に勝ち越しをかける。
「山口寿一オーナーは9月29日のオーナー会議後、『来季のことは真剣に考えなきゃいけないと思ってます』と原監督の続投を明言しませんでした。もし今季も負け越せば、球団史上初の3年連続負け越しになります。3年契約2年目の原監督は是が非でも勝ち越したい。続投は不透明ですが、負け越せば退任に近づくと思います」(NPB担当記者)
来季の監督候補として落合博満・元中日監督(69)、中畑清・元DeNA監督(69)、OBの江川卓氏(68)、工藤公康・前ソフトバンク監督(60)、桑田真澄ファーム総監督(55)、阿部慎之助ヘッドコーチ(44)などの名前がメディアを賑わせている。2016年から2018年まで監督を務めた高橋由伸氏(48)も候補の1人だ。
「前回は現役続行を決めていたにもかかわらず、原監督の突然の退任で降って沸いたような人事でした。心の準備ができないまま、無理やり監督の座を与えられたような形で多くのファンも同情を感じていた。指導者歴は現役最後の2015年に選手兼任で打撃コーチをしていただけ。いきなりの監督就任は青天の霹靂だったでしょう」(前出のNPB担当記者)
3年契約を結んだ高橋監督は1年目から2位、4位、3位と優勝には届かず、2018年限りで辞任した。
「確かに前回は就任の経緯からして、困難なスタートでした。しかし、1年目は仕方ないにしても、2年目や3年目も由伸監督のカラーが見えなかった。2017年には球団史上ワーストの13連敗を喫した。その最中、読売系列のスポーツ報知が一面で『クルーズ使え』と二軍落ちしていた助っ人の名前を出しました。すると、翌日にクルーズが一軍登録され、5番・セカンドでスタメン起用された。様々な話を総合すると、読売の上層部が現場に口出しをしていたそうです。
これはフロントの介入が悪いという見方もできますが、たとえそれを突っぱねることができなくとも、由伸監督にはもう少し柔軟な対応をしてほしかった。報知の一面に載った翌日にいきなりクリーンアップ起用では、ファンに意思のない監督と思われてしまいます」(球界関係者)