フィギュアスケート界にまたひとつ激震が走った。
スピードスケート、フィギュアスケート、ショートトラックの3競技を統括する組織である「日本スケート連盟」は、9月25日までに、2022年7月1日から2023年6月30日における活動や決算をまとめた「令和4年度事業報告並びに決算書類」を公開した。
今回の決算書類で明らかとなったのは、フィギュアスケート部門における驚くべき減収だ。
まずは国内のトップ選手が一堂に会する、選手にとってはシーズン前半の山場となる大会である「全日本フィギュアスケート選手権」(以下・全日本選手権)の収入を見ていこう。公開された決算書類によれば、2022年に行われた全日本選手権の収入は1億9000万円ほどであるのに対し、その前年、2021年に行われた全日本選手権の収入は7億6000万円を超えており、たった1年で約5億円もの減収となっているのだ。
2021年と2022年の相違点について、フィギュアスケート関係者は、渋い顔で語る。
「2022年7月に引退し、プロスケーターへ転向した絶対的エース・羽生結弦さん(28才)の不在しかないでしょう。日本フィギュアスケートの人気は、羽生さんが引退をしてから右肩下がりです。かつて彼が出場していた大会のチケットは即完売となり、テレビ中継の視聴率が20%近くを記録することもあった。しかし、今や視聴率は1桁台ばかりで、試合会場には空席が目立つこともしばしば。羽生さんの集客力が圧倒的だったと言わざるを得ないと思います」
2022年2月に行われた北京五輪への出場を最後に、競技会から退いていた羽生は、前述の通り、同年7月に現役から退きプロ転向を表明している。
フィギュアスケート人気の凋落ぶりはこれだけではない。毎年3月に行われる「世界フィギュアスケート選手権」(以下・世界選手権)でも異変が起こっていた。