ジャニーズ事務所の性加害問題を巡り、事務所が10月2日に東京都内で開いた記者会見。会見の運営を任されていた会社が特定の記者を指名しないようにするための「NGリスト」を持参していたと、NHKが10月4日の「ニュース7」で報じた。報道を受け、ジャニーズ事務所は公式サイトで「今回流出したと言われている資料は、弊社の関係者は誰も作成に関与しておりません」と発表した。会見を運営したのは米国に本社がある「FTIコンサルティング」で、同社は「限られた会場使用時間の中で会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもの」というコメントを発表した。
NHKが報じたのは、顔写真付きの「NG記者」6人のリスト。会見当日は複数の記者が「手を挙げていたのに指名されなかった」と声を上げていたが、ジャーナリストの鈴木エイト氏もそのうちのひとりだった。そして、今回の「NGリスト」には実際に、鈴木氏の名前も掲載されていたことがわかった。鈴木氏は「素直な気持ちを言うと、光栄ですね」と言う。
「『この記者に聞かれてはいけない』というリストに入れられたということは、自分の指摘はそれだけ正鵠を射ているということであり、ジャニーズにとっては突かれたくないところを突いているんだなと。自分の追及の仕方は間違っていないんだと思えました」(鈴木氏)
鈴木氏は会見時、会場中央やや後ろの列の司会者側の通路の端に座っており、「司会者と何度も目が合った」と言う。
「おそらく、常に一番早く手は上げていました。僕の目の前の記者と一つ空いた隣の記者、斜め後ろの記者は当てられたのに、僕だけ毎回目が会うたびにスッとズレるんです。おかしいなと思っていましたが、リストに写真と名前があったとわかって、『毎回目が合っていたのはそういうことだったのか』と腑に落ちたという感じです。
司会者の人が途中、『(記者の)顔が覚えられなくなってきました』と言っていたことも、その時よく意味がわからなかったんです。当時『重複して指名してしまわないように』という意味だったのかなと思いましたが、よく考えると、すでに指名された記者はもう手を挙げていなかったはずなんです。『リストの顔が覚えられなくなってきた』ということだったのかと、疑ってしまいますよね」(鈴木氏)