中国で3隻目の航空母艦「福建」が、10月にも海上での試験航行が行われることが明らかになった。すでに就航している「遼寧」や「山東」では艦載機の発進の際にスキージャンプ式の滑走路を使っているが、福建では電磁式のカタパルトによる発艦方式を採用しており、今回の初の海上航行で艦載機の試験飛行が行われる可能性がある。米国を拠点とする中国問題専門ウェブサイト「博訊新聞網」が報じた。
福建は上海の江南造船所で建造され、現在、大連の中国海軍基地で初の海上試験航行に向けて準備を行っている。
ネット上では、すでに米国の商業衛星が撮影したとされる福建の姿が伝えられている。その写真では福建の艦上の煙突から煙が出ており、初航行は時間の問題とみられている。
福建の甲板には折りたたみ翼の中国国産のステルス戦闘機「殲35(J-35)」が搭載されているのが認識できるほか、甲板には電磁式カタパルトの部品が入っているとみられる建設小屋が白い線で囲まれている。
新型空母の場合、航行試験の主な目的は、様々な条件下での艦の性能、安定性、信頼性、各種機器の協調性をテストすることだ。また、通信機能やレーダーなどの艦載電子機器に加え、ミサイル、魚雷、ロケット砲などの艦載兵器も、システムが正常に稼働するかどうかチェックされる。
海上での試験航行期間については、初の空母である遼寧はウクライナ製空母の改良型ということもあり、約1年間で就航した。山東は中国初の国産だったことから、1年7か月間を要している。
福建の場合は、山東での経験の蓄積があるとはいえ、初めて搭載する電磁式カタパルトの性能試験を実施する必要があることから、山東よりも試験訓練の期間が長くなるとみられている。実戦配備となる正式な就役時期は、2026年初めにずれ込むことも予想されるという。