耳の後ろや足の指の間をよく洗うことが、肌を健康に保つためには重要であるかもしれない。米国の研究グループが2023年9月に報告している。
体を保護する役割を持つ肌のバクテリア
皮膚の表面には、バクテリアが存在していると知られ、これは体を保護する役割を担っていることが分かっている。そんなバクテリアは、乾燥した肌、湿った肌、脂っぽい肌という、場所によって種類が異なると考えられているが、実態はよく分かっていない。
そこで米国ジョージ・ワシントン大学は、129人の学生を対象として、耳の後ろや足の指の間、へその中、ふくらはぎや前腕などを綿棒で拭き取ってもらい、それぞれの場所に存在しているバクテリアを分析した。
研究グループによると、かつて研究者自らが祖母から、耳の後ろや足の指の間、へその中をよく洗うように言い聞かされており、これらの場所には通常とは違ったバクテリアがいるのではないかと考えたという。
耳の後ろなどはバクテリアの多様性が失われている
こうして判明したのは、耳の後ろや指の間のバクテリアは、多様性が少なく、あまり健康的ではないことだ。
それに対して、ふくらはぎや前腕のバクテリアは多様性が高く健康的だった。
研究グループは、バクテリアの種類が有害な微生物に偏ると、湿疹やニキビができやすくなるという。耳の後ろや足の指の間をよく洗うことで、多様性が失われるのを防げる可能性があるようだ。
スキンケアのコツの一つとして、耳の後ろなどを念入りに洗うようにすると良いのかもしれない。
参考文献
Skin Behind the Ears and Between the Toes can Host a Collection of Unhealthy Microbes
【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。
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