芸能
2023.10.14 07:00
NEWSポストセブン
稲垣吾郎が主演舞台で初体験した「ちょと恥ずかしかった…」こと
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人気演劇ユニット・iakuiの代表である横山拓也が戯曲を手がけ、劇団俳優座の眞鍋卓嗣が演出を担当している本作は、現代社会における「家族」と「個人」の複雑な関係を、ユーモアとペーソスをもって描いているもの。共演に真飛聖や相島一之といったバイプレイヤーを迎え、とある町の写真館を舞台にした物語が展開する。稲垣が演じるのはこの写真館の2代目店主・山田純九郎。一度も会ったことのない戦場カメラマンの父と、初代店主として町の人気者だった母を持つ中年男性だ。
『多重露光』東京・日本青年館ホールで10月22日まで。
眞鍋の演出は強引にピースをはめて作品を完成させるのではなく、それぞれの俳優が提示するものを肯定的に受け止めていくスタイル。それらの積み重ねによって、いつのまにか『多重露光』の世界が立ち上がっていたのだと稲垣たちは語る。舞台上で飛び交う言葉の数々から、登壇していない共演者の姿も見えるかのよう。本作の舞台裏が垣間見える。
稲垣の演じる純九郎は平凡な男だが、両親に対して複雑な感情を抱いている。父はカメラマンとしての使命感に燃えて家を飛び出し、彼と純九郎を重ねる母から「生涯かけて撮りたいものを見つけなさい」との言葉をかけられた。“町の写真館の2代目店主”となる未来はほとんど決まっているのに、理不尽な期待である。親からの無理解と無関心にさらされた彼は、幸福な家族に憧れ続けている。多重露光によって重ね合わせ、一枚の家族写真を生み出すように。
プライベートでも自宅に暗室があるという稲垣。