2023年9月12日(日本時間13日)に開かれたUAP(UFOを含む未確認空中現象)に関するメキシコ議会公聴会に、日本の政治家で唯一招待されていたのが、日本維新の会の浅川義治衆議院議員(55)だ。
元銀行員の浅川氏は、横浜市議などを経て2021年に初当選すると、UAP問題を日米同盟上も決して見過ごせない問題と位置づけ、国会でUAP関連の質問を重ねてきた。そうした活動が、当のUFO研究家ハイメ・マウサン氏の目に触れ、今回のメキシコ行きにつながったという。
「マウサン氏は公聴会の開催を主導した人物。彼を通じて、メキシコ下院の副議長から正式な招待状が届きました。他国の公聴会に呼ばれるのは大変名誉なことです」(浅川氏、以下同)
公聴会当日、150人収容の会場が埋まり大勢のメディアが駆け付けた。
「そもそもはメキシコ上空の安全のためにUAPを真剣に議論する場で、元米軍高官や航空管制官、物理学者など十数人が陳述しました。私も登壇し、安全保障と航空安全、情報公開、科学、人権問題として訴えてきた」
厳粛な雰囲気が一変したのは公聴会の最終盤。マウサン氏が突如、件のミイラを持ち出したのだ。
「ミイラの存在は事前に知らされておらず、会場が大きくどよめき、写真を撮るためにマスコミが殺到しました。現場では『宇宙人』という言葉は使われず『非人類の生命体のミイラ』として紹介されましたが、私は正面のモニターで現物を見て“なんでこんなものが出てきちゃうんだ?”と呆気にとられました」
思わぬサプライズに会場はこの日一番の盛り上がりを見せたが、公聴会の参加者は「脱力」したという。
「みんなUAPについて真面目に語ったのに、最後の最後にミイラが出てきて唖然としていました。登壇者のひとりで、米下院議会でUFOの目撃談を証言したこともある元米海軍パイロットのライアン・グレーブス氏は怪訝そうな表情を浮かべ、翌日の記者会見に姿を現わしませんでした」
一方、ミイラのおかげで世界的に注目を集めたことも事実だと振り返る。
「メキシコの公聴会が世界的に注目される材料としてミイラは有効でした。これを機に日本でもUAP問題への関心が高まることを期待しています」
※週刊ポスト2023年10月20日号