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【大人の修学旅行in奈良】鑑真和上に会いに、いざ唐招提寺へ 耳の毛や髭の一本一本まで模されたリアルさに感嘆

金堂。国宝 奈良時代(8世紀後半)。寄棟造・本瓦葺。唐招提寺創建時の姿を伝える、代表的建造物。本尊『盧舎那仏坐像』を始め、安置されている仏像9体はすべて国宝

金堂。国宝 奈良時代(8世紀後半)。寄棟造・本瓦葺。唐招提寺創建時の姿を伝える、代表的建造物。本尊『盧舎那仏坐像』を始め、安置されている仏像9体はすべて国宝

 美術史家で日本美術応援団団長の山下裕二・明治学院大学教授による“大人の修学旅行”。今回は生徒として「お寺・仏像研究家」を自称するタレントのみほとけを引率して、鑑真和上へ会いに奈良・唐招提寺を訪れた。

みほとけ:唐招提寺を開基した鑑真さんの御影像を、これほど間近で拝む機会に恵まれるとは!

山下:肖像彫刻の傑作・国宝「鑑真和上坐像」は秘仏ですが、2013年に「鑑真和上御身代わり像」として再現模造され、日々お参りできるようになりました。

みほとけ:なんて生々しいお姿……。あれっ?、耳の中から毛が生えていますよ。

山下:えっ? わっ、本当だ。すごい発見をしましたね。国宝の坐像は鑑真和上の弟子・忍基の指揮によるもの。夢のお告げで鑑真和上の死期を悟り、76歳の姿を写したとされています。

みほとけ:耳の毛や髭の一本一本までリアルで丹念に模したことが伝わります。

山下:まつ毛もチャーミングですね。肖像は日本ではなく中国古来の文化。唐では、鑑真和上クラスの高僧には寿像(存命中にかたどる肖像)が作られていました。

みほとけ:鑑真さんの存在が生身の人間の肖像を日本へもたらしたのですね。唐招提寺は国宝建造物の「金堂」「講堂」が天平時代の姿を留めていて、“1200年前も今日のような青空の下に同じ景色が広がっていたのだな”と感じられます。

山下:天平の息吹を今に伝える、貴重な伽藍です。金堂は仏壇のような空間で普段は滅多に人が立ち入ることがなく、私も40数年ぶりに機会を得ました。

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