芸能

【谷村新司さん哀悼秘話】百恵さんにレコーディングで「泣いて歌って」、天海祐希とは性別を超えた関係

アリスのメンバーは通夜・葬儀にも駆け付けた(左から矢沢、谷村さん、堀内。1981年)

さまざまな人間関係があった(左から矢沢、谷村さん、堀内。1981年)

 谷村新司さん(享年74)死去の知らせは、日本のみならず世界中を悲しみに包んだ。名曲を通して、多くの人に感動を届けた彼は、誰からも愛され、慕われる人だった。病気、家族、音楽……谷村さんの人生を色々な側面からたどる。【前後編の前編】

 * * *
 朝からの冷たい雨は午後まで降り止まなかった。黒い傘は参列者の表情を隠したが、一様に沈んだものであることは明らかだった。東京・品川区で谷村新司さんのお通夜、葬儀が行われたのは、10月14日、15日のことだった。

「バンド『アリス』の堀内孝雄さん(73才)と矢沢透さん(74才)をはじめ、古い仕事関係者、そして近親者のみが参列しました。本当に限られた人だけが集まって最後のお別れをしたのですが、その中に谷村さんの息子さんがいらっしゃらなくて……。最後まで親子の縁が戻ることはなかったんだなと悲しみが一層大きくなりました」(谷村さんの友人)

『昴』『サライ』など長く歌い継がれる名曲を生み出したほか、『いい日旅立ち』を山口百恵さん(64才)に提供するなど、長年歌謡界を牽引してきた谷村さん。彼が最後まで苦しみ、葛藤したのは、病だけではなかったようだ。

《10月8日に息を引き取り永眠いたしました。本人も回復に向けて頑張っておりましたので本当に残念に思います》

 所属事務所の公式サイトが谷村さんの死を伝えたのは、10月16日のことだった。訃報を受けて、いち早くコメントを発表したのは、アリスのメンバーだ。堀内は「また、いつか空のほとりで一緒にライブをやろうね」とメッセージを送り、矢沢は「悲しいというより悔しい」と無念をにじませた。

 谷村さんが公の場に姿を見せなくなったのは、今年3月のこと。急性腸炎の手術を受け、大事をとって療養することを事務所が公表したが、症状や休養期間は「不明」とされた。3月の手術後は、地方でのイベントや渋谷タワーレコードでのポップアップショップの1日店長などを欠席。5月にはアリスの全国ツアーの延期を発表した。さらに6月には恒例だったクリスマスディナーショーの休止を早々に発表し、「年内は治療に専念する」と伝えていた。

 そんな谷村さんがなんとしてでも駆けつけたかった仕事があった。8月末放送の『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)である。毎年8月に放送される同番組は、谷村さんが代表作詞を手掛けた『サライ』が1992年の第15回からテーマソングとして使用され、作曲の加山雄三(86才)や出演者とともに番組フィナーレで大合唱するのが恒例となっていた。

「加山さんは昨年で最後の歌唱となりましたが、加山さんの分まで頑張りたい、と番組に出演するのを楽しみにしていたのです。しかし、ステージに立つことは叶わず、病床から“歌いに行くことができず、ごめんなさい”というメッセージを寄せました。代わってアリスの堀内さんが出演し、『いい日旅立ち』『チャンピオン』など往年の大ヒット曲を歌って谷村さんにエールを送りました」(テレビ局関係者)

 アリスは昨年活動50周年を迎え、記念ライブを開催。谷村さんはメンバーと共に「ここからリスタートして10年続けよう」と約束し、復帰へ向けつらい治療にも積極的に励んでいたという。

「3月以降、腸炎以外の病気も次々に見つかったそうです。さらに予想外なことは続き、谷村さんの体質が少し特殊で、病気との相性が悪かった。治療は困難を極め、日を追うごとに回復の可能性が狭まっていったと聞いています」(前出・谷村さんの友人)

 半年以上に及んだ入院生活は、事務所の社長であり谷村さんのプロデューサーでもある妻がつきっきりで看病していたという。

「最初に腸炎と発表して以降、何のアナウンスもなかったのは奥様の意向です。“本当の病状”は、世間に伝えたくなかったのでしょう。10月8日の早い時間に、病院から奥様へ危篤状態である旨の電話がきました。そしてその夜に息をひきとったのですが、最後はふたりの時間を過ごせたそうですよ。どんなときも谷村さんの決断を尊重し、支えてきた奥様でしたから、闘病生活を終えた谷村さんに、労いと感謝の言葉を伝えたのでしょう」(前出・谷村さんの友人)

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン