ライフ

「重曹を入浴剤に」「サッシにテープ」…きれいな場所を汚さないための「予防掃除」7つのテクニック

気候の良い秋に大掃除

気候の良い秋に大掃除

 今年も残り約2か月──そろそろ年末の足音が近づいてきた。そこで気になるのが、面倒な大掃除。できればやりたくない、というあなたにこそ知ってほしいのが、一度掃除した場所は汚さない“予防掃除”。いまからこの方法で掃除を始めれば、大掃除をしないですむ“NO掃除”で、ゆったりした年末を過ごせるはず。そのメソッドを紹介する。

 日々の掃除は、テレビを見るついで、体を洗うついでなど、日常生活の動線に合わせて細々と行い、そうしてきれいになった場所を汚さないようにするのが“予防掃除”だ。では具体的にはどうすべきか。知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、こう話す。

「簡単なのは、汚れがつく前にガードすること。冷蔵庫の野菜室に新聞を敷いて土汚れを予防したり、家具に布をかけてほこりがたまるのを防ぐなどです」(本間さん・以下同)

 市販のグッズも活用するといいという。通気口にフィルターを貼ってカビやほこりを防いだり、水垢がつきやすい場所には撥水スプレーをかけ、水滴がたまりにくくするのも手。こうして汚れにくい環境に家中を整備していくわけだ。

「可能なら、家具を壁につけて配置しないなど、ほこりがたまりにくく掃除しやすい配置にするのもおすすめです」

 掃除には手を抜かず、時間や労力といった手間を省く──それこそ、楽にきれいを長持ちさせる秘訣なのだ。

 では、予防掃除の具体的な方法を以下に紹介しよう。

風呂場は天井のカビから取る

除菌には70〜80%の高濃度アルコールが効果的。「私は『ドーバー パストリーゼ77』(500㎖ 1188円)を愛用」

除菌には70〜80%の高濃度アルコールが効果的。「私は『ドーバー パストリーゼ77』(500ml 1188円)を愛用」

 風呂場のカビは、つい目に留まりやすいタイルの目地などばかり掃除しがちだが、まずは天井のカビから一掃するべきだという。

「見えなくても風呂場の天井にはカビが繁殖しています。これを一掃しないと、胞子が落ちて浴室全体に広がり、床掃除を何度しても生えてくることに。天井のカビ取りは、フロアワイパーにキッチンペーパーを2枚ほど重ねて付け、消毒用エタノールなどを吹き付けて拭くのがおすすめです」

フロアワイパー

フロアワイパーで天井掃除

入浴剤として重曹を入れる

重曹には菌の働きを抑制する作用があるため、汗などのにおいも抑えてくれる。湯船に大さじ1~3杯を目安に入れよう

重曹には菌の働きを抑制する作用があるため、汗などのにおいも抑えてくれる。湯船に大さじ1~3杯を目安に入れよう

 アルカリ性の「重曹」は酸性のものを中和する働きがある。そのため、酸性の油汚れや焦げ付きなどを落とす効果が。皮脂や角質も落とすので、入浴剤として入れると、肌がすべすべになる。

「『重曹』の特性を生かして、入浴時に湯船に入れると、肌がきれいになるだけでなくバスタブに付着した皮脂の汚れも落としやすくしてくれ、掃除が楽になります」

 ちなみに入浴後、浴室の壁や床に約50℃の湯をかけておくと、カビ菌の餌になる皮脂汚れや石けんカスを洗い流せ、カビ予防になる。

重曹風呂の残り湯を活用し、風呂グッズなどをつけ置きしておくと、汚れが落ちやすくなる

重曹風呂の残り湯を活用し、風呂グッズなどをつけ置きしておくと、汚れが落ちやすくなる

掃除済みの場所はガードする

サッシの溝やスイッチプレートにはマスキングテープを。〔

サッシの溝やスイッチプレートにはマスキングテープを。

 一度きれいにした場所は汚れないようガードしよう。

「冷蔵庫や換気扇の上は、ラップをかけておき、汚れが気になったら交換を。冷蔵庫のポケットにはキッチンペーパーなどを敷き、調味料の液ダレなどを防ぎましょう。細かいゴミがたまりやすい引き出しの中には不要になったクリアファイルを敷くのもおすすめです」

 サッシなどの細い場所は、デザインがよく、剝がしやすいマスキングテープを貼っておこう。

換気扇上にはラップがおすすめ

換気扇上にはラップがおすすめ

冷蔵庫のポケットにはキッチンペーパーを敷こう

冷蔵庫のポケットにはキッチンペーパーを敷こう

カーテンに柔軟剤をスプレー

カーテンに柔軟剤をスプレー

カーテンに柔軟剤をスプレー

 カーテンは結露でカビやすく、静電気でほこりが付きやすいため、汚れの温床に。

「カーテンのカビ予防には、柔軟剤20mlを水200mlに溶かした“柔軟剤スプレー”がおすすめ。柔軟剤に含まれる界面活性剤には菌を減らす効果があるからです。静電気も抑えられ、ほこりを吸い寄せにくくします」

排水口の水切りネットで洗う

排水口の水切りネットで洗う

排水口の水切りネットで洗う

 食器用スポンジと排水口・シンク掃除用スポンジを分けている人は多いと思うが、排水口バスケットに取りつける水切りネットに洗剤をつけて洗えば、専用のスポンジを設置しないですむという。

「洗い終えたネットは、泡がついた状態でそのままバスケットにセット。手間とスペースが省けます」

調理の前後5分は換気扇を回す

調理の前後5分は換気扇を回す

調理の前後5分は換気扇を回す

 キッチンの換気扇は、油煙を吸って室外に排出し、汚れを防止する効果がある。

「調理するタイミングで換気扇を回しても空気がすぐに循環しないため、油煙がうまく室外に出ていきません。換気扇は調理の5分前から回し、調理後5分経ってからスイッチを切るようにしましょう」

野菜は洗う前に皮をむく

野菜は洗う前に
皮をむく

野菜は洗う前に皮をむく

 生ゴミに水気があると、腐敗して生ゴミ臭を発生させる。そのため、野菜などは洗う前に皮をむこう。

「皮などを三角コーナーや排水口バスケットに捨てると水気がつくので、ポリ袋などに入れてその都度捨てましょう」

 消臭効果がある「重曹」を、皮などに振りかけておくのもおすすめ。

【プロフィール】
知的家事プロデューサー・本間朝子さん/時間と無駄な労力を省く家事メソッド「知的家事」や「予防掃除」などを考案。主な著書に、『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)など。

取材・文/青木まき子 撮影/平林直己

※女性セブン2023年11月2日号

関連記事

トピックス

前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相、16年前にフジテレビで披露したX JAPAN『Rusty Nail』の“完全になりきっていた”絶賛パフォーマンスの一方「後悔を感じている」か
女性セブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン