大阪の梅田駅から徒歩圏内にある通称「アメリカン通り」。太融寺町のラブホ街裏手に位置するこの路地には売春の客待ちをする「立ちんぼ」の女性が多い時で数十人、少ない時でも10人前後の女性が立つ。大阪府警による摘発も本格的に始まり、警察官の巡回にあわせて女性らは雲集霧散。ついには目の前で府警に未成年の「立ちんぼ」が摘発される瞬間を目撃。この地の行く末は──。【前後編の後編。前編から続く】
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大阪府警は10月5日、「アメリカン通り」で売春の客待ちをしたとして、3人の女性を売春防止法違反で逮捕したと発表した。3人の女性は10~20代で、7月から8月にかけて逮捕されていた。在阪の全国紙社会部記者は大阪府警の狙いをこう解説する。
「ネット上で売春スポットとして有名になってしまったため、府警の保安課が取り締まりを強化し始めた。その中でも府警の最大の関心事は未成年売春。背景には大阪府の関係各所や児童相談所などに未成年の女性が『アメリカン通り』に立っているとの苦情や情報が多数寄せられており、府警も本腰を入れざるを得ない状況なのです」
「アメリカン通り」に立ち始めて約9か月。26歳のアヤ(仮名)も、未成年に関するエピソードをこう口にする。
「今年、女の子が一番多く立っていた時期がGW。1日に50人近くの女の子が出入りして、どう見て中学生や高校生と思えるような女の子が数多くいたんです。GWが終わって学校が始まると、まったく見かけなくなって、その中には東京からの遠征組もいました」
遠征のきっかけとなった事件がある。今年4月、警視庁が売春防止法違反(客待ち)の教唆容疑で歌舞伎町のホストを逮捕した一件だ。売掛金の回収のため、ホストが女性客に売春の客引きをするように“そそのかした”と言われている。大久保公園で立ちんぼをした女性が先に逮捕され、彼女の供述によってホストの逮捕に繋がった。この事件を境に一時期、「大久保公園は逮捕されるリスクがある」という認識が女性たちに共有され、稼ぎ時の大型連休を狙って大阪へ遠征となったようだ。前出のアヤはさらに続ける。
「数週間前だったと思うんですけど、警察の見回りが来たので、走って逃げてると、隣で並走していた女の子が凄く若く見えたんですよ。何気なく、本人に『いくつなん?』と聞いたら、『15歳』って答えた。男の人って女が化粧をすると年齢が分からないと思うけど、女は化粧で誤魔化しても、大体の年齢は見当がつく」