天皇皇后両陛下の今年最後の地方訪問は、搭乗された特別機が機体のトラブルで離陸できないという不測の事態に始まったが、トラブルから一転、雅子さまのサプライズが周囲を沸かせた。両陛下を歓迎し、沿道に集まった地元の人々はおよそ2万2千人にのぼった──。
10月15~16日の2日間、石川県金沢市で行われる国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)の開会式などに出席されるため、両陛下は15日午前に羽田空港にお姿を見せられた。ところが、離陸直前の特別機のフラップ(高揚力装置)に不具合が見つかったのだ。両陛下は一時空港内の貴賓室で待機され、急遽、予備機に乗り換えられて出発され、石川県の小松空港に到着されたのは当初の予定より約1時間半遅れだった。
こうしたトラブルがあったにもかかわらず、開会式は予定通りの時間にスタートした。
「当初の予定では、両陛下は小松空港に到着後、金沢市内に移動して、宿泊先のホテルで昼食をとられた後、式典会場に向かわれるはずでした。しかしトラブルのため、両陛下は空港内で慌ただしく昼食を済まされ、お着替えもされて、準備を整えられました。遅れを挽回し、開会式に到着を間に合わせたいという強いお気持ちがあったのでしょう。
結果的に無事ご出席できたことについて、両陛下とも関係者の尽力を気遣われていたそうです。二週続けての地方公務とあって、ただでさえ雅子さまのご体調が心配されていましたが、急なトラブルも柔軟に乗り切られた。感慨深いものがありました」(宮内庁関係者)