ライフ

山崎まさよしのライブが「期待外れ」だったとき、小さな幸せを感じるためにはどうすればいいのか

山崎まさよし(時事通信フォト)

トークにも定評がある山崎まさよし(時事通信フォト)

 何かとストレスを感じやすい昨今だが、心はもちよう、である。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *
 人生に「期待外れ」は付きものです。話題の映画を観たらつまらなかったとか、長い行列に並んで食べたラーメンが口に合わなかったとか、好きなアーティストのライブに行ったら歌う曲が少なくてどうでもいい話ばっかりだったとか……。

 話はコロッと変わりますが、人気シンガー・ソングライターの山崎まさよしが、ライブで通常の半分以下の数の曲しか歌わず、一部のファンがSNSに不満を書き込むなどして物議を醸しました。問題となったのは、10月21日に茨城県水戸市で行なわれたライブ。最初に山崎が「今日はあまり歌いたくない」と宣言し、歌よりもトーク中心で進められたとか。

 ところが、内容に納得できないファンが途中で席を立ったり、ステージ上の山崎に「払い戻ししろ!」と詰め寄ったり、「遠くから楽しみにして来たのに」と泣き出したりなど、ただごとではない雰囲気だったようです。騒動を受けて所属事務所は23日に謝罪し、チケットの払い戻しに応じると発表しました。

「明らかにいつもの彼とは様子が違った」という投稿もあるなど、ファンのあいだでは山崎の体調や精神状態を心配する声が上がっています。どういうわけで“ただごとではない”感じの内容になったのかは、今のところよくわかっていません。

 ふたたび話は変わります。このライブとは関係なくあくまで一般論として、人生における「期待外れ」について考えてみましょう。大事なことなのでもう一度言います。あくまで一般論で、このライブとは関係ない話です。

 そもそも生身の人間が行なうライブは、アーティストの気分や体調などで出来が左右されがち。マックのハンバーガーのように、いつどこで買っても同じというわけにはいきません。「期待以上の大当たり」に巡り合うときもあれば「大きく期待外れ」のときもあり、そこがまた醍醐味とも言えます。

「大当たり」のときは「得した」「いいものを見た」と喜べばいいだけですが、踏ん張りが必要となるのが「期待外れ」だったとき。対処の仕方によっては、被害やダメージが余計にふくらんでしまいます。「期待外れ」な出来事に遭遇したときに、受けるマイナスを最小限に抑えて、できることならプラスに変換するにはどうすればいいのか。

 ライブが残念な内容だった場合に、自分の中でマイナスな感情をふくらませるのは簡単です。「チケット代を払った自分は純然たる被害者だ。損害を埋め合わせてもらう権利がある」と考えれば、アーティストや関係者への怒りがフツフツと湧いてくるでしょう。SNSに「こんな理不尽な目に遭った。あのアーティストはヒドイ!」と書き込めば、賛同してくれる人がたくさん現われて、自分がいかに可哀そうであるかを実感できます。

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン