10月28日の午後1時頃、大阪・天満駅から100mほどの距離にある「寿司 炭火割烹 天満鮨」(大阪市北区天神橋4丁目)で爆発事故が起きた。2階を含めて約100人の客で埋まった店内で、魚を炙ろうとしたガスバーナーのボンベが爆発し、従業員4人と客8人がいずれも軽傷を負ったという。同店は約1カ月前にオープンしたばかりだった。
大阪駅から環状線でわずか一駅の「天満駅」周辺は、日本最長という全長約2.6kmの天神橋筋商店街がある。そして、天満市場の裏側にあたる通称「裏天満」には小さな飲食店が密集して軒を連ねている。グランフロント大阪をはじめとするキタの再開発が進むなか、なにわの情緒を残すのがお隣の天満だ。つい一週間ほど前、筆者は天満駅からの細い路地を歩いていて、新しくできたこの寿司店に目が留まった。その理由はふたつある。
まず、薄暗く細長い通りに面していながら、寿司店としては異例のオープンテラスが併設されており、寿司カウンターを強烈なライトが照らして目立っていたというのがひとつ。そして、この地がしばらく更地となっていた経緯を知っていたのがふたつめの理由だ。
「商店街も注意喚起はしているが……」
およそ3年前、天満では焼き肉店が全焼する大規模の火事が起き、その裏手にあった理容室やペットフードショップにも延焼。その後、更地となっていたこの場所に新しく建てられたのが今回の現場となった天満鮨だ。9月22日のオープンからわずか1カ月あまりで起きた事故だった。事故が起きた日の夜、近隣にある人気焼き肉店の店主はこう語った。