韓国やアメリカなどで、加湿器や電動歯ブラシといった衛生管理製品を展開するブランド「Carepod」が9月、日本での販売を開始した。第1弾は、超音波と低温加熱のハイブリッド式ステンレス加湿器だ。
「一般的な加湿器は、給水タンクの汚れや細菌の混入が気になっても、完璧な洗浄は困難です。そのため、衛生状態に不安を感じているかたも多いのです」(同社GTM&販売部門総責任者のシン・ソネさん、以下同)
本製品はその弱点を克服した。水に触れる3つのパーツ、ステンレス水タンク・振動子・内蓋が丸洗いできるのだ。
開発したのは現役の歯科医師であり、同社CEOのキム・ヒョンジュさん。きっかけは、加湿器使用時に水とともに入れた殺菌剤により韓国内で多くの死傷者が出た「加湿器殺菌剤事件」だ。
「この事件に衝撃を受け、安全で衛生面で安心な加湿器を生み出さなければいけないという思いが芽生えたのです。歯科医という仕事上、ステンレス製の器具を使う機会が多く、かつルーティンである消毒作業からヒントを得ました」
超音波加湿器には「振動子」という超音波を発生させる装置が搭載されており、振動で水を霧状にして空気中に放出する。振動子は通常、本体に固定されているため洗いにくい。
しかし、本製品は振動子が取り外せるので丸洗いが可能。また、故障しても別売り(3000円)に交換すればいい。
「洗浄は週1回が目安。汚れや細菌が気になるのであれば、IHやガスコンロ(ガスコンロを使うと焦げ付く場合がある)で3分間の煮沸消毒を2週に1回程度プラスすれば、99.9%除菌できます(振動子は1〜2秒湯につける)」
また「加熱式」は高温の水蒸気や加湿器の転倒によるやけどの危険があるが、本製品は34〜40℃の“暖かい”水蒸気を放出するのでその心配もない。
さらに加熱時でも消費電力は最大100W。従来の加熱式加湿器に比べ経済的なのもありがたい。
加熱のオン・オフは選択でき、ミストの放出量も3段階で設定できる。加熱しなければ150・230・300ml、加熱すれば170・300・400ml(いずれも1時間の放出量)の6段階から選べる。
タンクの容量は4.2L。1回の給水で最大28時間稼働する。運転音は図書館内より静かな35db。4・6・8時間で設定できるタイマー機能もついており、シンプルでモダンなデザインは寝室やリビング、和室にも調和する。
クリーンな空気でこれからの冬の乾燥を乗り切りたい。
【商品DATA】
『Carepod キューブ ハイブリッド式ステンレス加湿器』/3万8000円(販売はオンラインのみ)
サイズ/幅250×奥行250×高さ300mm
質量/3.5kg
適用畳数/14畳
消費電力(最大)/100W(加熱加湿時)・30W(一般加湿時)
優れたデザイン性で世界3大デザイン賞のうち、2つを受賞した。
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2023年11月9日号