公明党の選挙活動において重要な役割を果たしてきたのが、公明党候補を応援し、その呼びかけによって創価学会員の結束を強める芸能人たちだ。『宗教問題』編集長の小川寛大氏が解説する。
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創価学会の信仰を持つ芸能人や文化人たちが所属するのが、「芸術部」という組織である。
メンバーとして知られるのが、女優の岸本加世子(62)、タレントの久本雅美(65)、歌手の山本リンダ(72)らで、部員数は非公表ながら約1万人とも言われる。
芸術部のメンバーが担ってきたのが選挙応援。候補者たちの街頭演説会場などに駆け付け、マイクを握って投票を呼びかけるのだ。
現在では創価学会を脱会した、お笑い芸人で西東京市議会議員の長井秀和氏はこう語る。
「私も学会員時代は芸術部でしたが、芸能人たちが出ていくと動員力がケタ違い。熱心な学会員でも、山口那津男さん(公明党代表)や北側一雄さん(同副代表)の街頭演説に足繁く通う人は限られる。しかし、そこに芸術部の芸能人が来るという話になると、ワッと人が詰めかけてくる」
激戦区でこそ芸術部は最大限の力を発揮する。
2007年の参院選では、5議席を20人が争う全国一の激戦となった東京選挙区に、山口氏が立候補していた。選挙期間最終日に行なわれた山口氏の街頭演説会に久本が駆けつけ、「私は公明党が大好きなんです!」と絶叫して観客を沸かせたという。
地方選挙でも同様の例は見られ、2015年の新宿区議会議員選挙では、山本リンダが新人の公明党候補の街頭演説で聴衆を動員し、初当選に導いた。前出・長井氏は言う。
「久本さんはずっと全国を回り、各地の選挙の応援演説に立っています。出没率の高さから、『久本さんは5人いる』と言われています」