スポーツ

【没後1年・アントニオ猪木さんを語る】元衆議院議員・石川知裕氏が気づいた「プロレスラーと政治家の使命」の共通点

小学生、中学生の頃は、大のプロレスファンだったという石川知裕・元衆議院議員

小学生、中学生の頃は、大のプロレスファンだったという石川知裕・元衆議院議員

【シリーズ・没後1年アントニオ猪木さんを語る】プロレスラーとしてだけではなく、政治家としても注目を浴びたアントニオ猪木さん。昨年10月1日に亡くなってから1年が経った。猪木さんの生き様に、人生を変えられたという人も多い。猪木さんファンで元衆議院議員・石川知裕(50)が振り返る。

 * * *
 小学生、中学生の頃は、大のプロレスファンでした。『週プロ』と『ゴング』の2誌を毎週必ず購入し、『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)が放送される「金曜8時」はテレビの前に釘付けでしたね。

 私は早稲田大学在学中に小沢一郎先生の書生となり、1996年に大学を卒業後、私設秘書となりました。1990年代前半に参議院議員だった猪木さんと直接お話しする機会はありませんでしたが、「政治家・猪木」の外交力について、猪木さんの旧ソ連、ロシア訪問時のアテンドをしていた外務省の佐藤優さん(現・作家)からはこんな話を聞いていました。

「エリツィン大統領の最側近として知られたブルブリス国務長官は、それまでどんな日本人の面会要請も受け付けなかったが、“イノキなら会いたい”と言ってきた。猪木さんの外交への寄与は計り知れないものがある」

 格闘の世界で培った世界的な知名度は、ロシアでも絶大な神通力があったと思います。誰にも真似のできない政治でした。

 私が現職だった10年ほど前、同僚議員の紹介で猪木さんと初めてお話しすることができ、その後は親しくさせていただきました。

 北海道の大樹町で2017年、堀江貴文さんが創業した民間ロケット会社「インターステラテクノロジズ」がロケットを打ち上げる際、無償で打ち上げイベントに駆けつけてくれました。

 この日は悪天候で打ち上げが延期されたにもかかわらず「こうなったら北朝鮮の技術者を呼ぶか」などと言っておられましたが、どんなハプニングにも動じない。

 北方領土の国後島でプロレス興行を開きたいと常々夢を語っていましたし、最晩年にも「ニカラグアに第2のパナマ運河を造って、中国の影響力を弱める」と力説していました。

「外務省や他の議員にできないことを俺はやるんだ」──それが猪木さんの政治の原点にありました。人の心を動かすという意味において、プロレスラーと政治家の使命は似ています。私にとって猪木さんは、プロレスファンとして、政治家として、二重の意味で忘れられない存在です。

取材・文/欠端大林(フリーライター)

※週刊ポスト2023年11月10日号

関連記事

トピックス

女性との間に重大トラブルを起こしていたことが判明した中居正広
「田原俊彦、植草克秀を収録済み」中居正広『だれかtoなかい』が早期打ち切り危機…空白埋める「毒舌フリーアナ」
NEWSポストセブン
新年一般参賀では、午前と午後合わせて5回、宮殿のベランダに立たれた(2025年1月、東京・千代田区。撮影/黒石あみ)
一筋縄ではいかない愛子さまの結婚問題 お相手候補に旧宮家の男系男子を推す声がある一方、天皇陛下が望まれるのは“自然に惹かれ合った形で”
女性セブン
2024年12月13日の事始め式では青いストールを巻いて現れた
《六代目山口組・司組長のファッションに注目集まる》原点は「チョイワル」コーディネート、海外高級ブランドを外商で取り寄せ、サングラスは複数用意して全身グッチ
NEWSポストセブン
巨人入団が決まった田中将大(時事通信)
巨人入りの田中将大は200勝達成できるか 平松政次氏「10勝できる」江本孟紀氏「申し訳ないけど3つ勝つのも大変」【2025年のプロ野球界を占う】
週刊ポスト
中居正広の女性トラブルに全く触れないテレビ局 
中居正広の深刻トラブルに全く触れないテレビ局 ジャニー氏性加害問題で反省したはずなのに…騒動が風化するのをじっと待つ“不誠実”
女性セブン
乗客乗員181人のうち179人が死亡するという韓国の旅客機事故で最大の被害となった
韓国機事故で179名が死亡、2人の生存者が座っていた“生還しやすい座席” 相対的には「前方より後方」「窓側より通路側」「非常口付近」
女性セブン
一生に一度の思い出の晴れ着になるはずだった(写真提供/イメージマート)
《「二十歳の集い」晴れ着トラブル》各地で発生していたヤンキー衣装を巡るトラブル「サイズが合わないピンク色の袴を強制」「刺繍入り特攻服を作らされた」
NEWSポストセブン
現在
《3児の母親となった小森純》「社会に触れていたい」専業主婦から経営者を選んだ意外な理由、タレント復帰説には「テレビは簡単に出られる世界じゃない」
NEWSポストセブン
サプライズでパフォーマンスを披露した松本(左)と稲葉(「NHK紅白歌合戦」の公式Xより)
B’z紅白初登場「7分54秒の奇跡」が起きるまでの舞台裏 「朝ドラ主題歌以外は好きな曲で」のオファーに“より多くの人が楽しめるように”と2人が選曲
女性セブン
女性との間に重大トラブルを起こしていたことが判明した中居正広
《スクープ続報》中居正広、深刻女性トラブルの余波 テレビ局が収録中止・新規オファー取りやめ、『だれかtoなかい』の代役にはSMAPメンバーが浮上
女性セブン
俳優
《第1子男児誕生の仁科克基》「僕は無精子症でした…」明かした男性不妊の苦悩、“心も体も痛い”夫婦で乗り越えた「妊娠18カ月生活」
NEWSポストセブン
「海老名きょうだい3人死亡事件」の犯行現場となった一家の自宅
《海老名きょうだい3人死亡事件》子煩悩だった母が逮捕 残された父が重い口を開いた「妻は追い詰められたんだと思います」「助けられなかった」…後悔の念
女性セブン