関西ダービーとなったオリックス・バファローズを退けて、38年ぶりの日本一となった阪神タイガース。厳戒態勢の中、道頓堀には1300名もの警官が配置された。大阪府警は万全の態勢で警備にあたったが、待ちわびたファンの興奮は収まらず、お祭り騒ぎに。虎党たちが押し寄せた狂乱の聖地・道頓堀をレポートする。
7-1で阪神の大勝となったこの日。道頓堀付近には試合終了が近づくにつれ阪神ユニフォームを着たファンが集まり始めた。なかには外国人や、お酒を片手にファンに混じる人も目立った。
23時を過ぎ、試合を見届けた京セラドームの応援組と パブリックビューイングが行なわれていた阪神甲子園球場からの合流組が道頓堀に現れると、一気にボルテージが上がる。岡田監督や各選手の応援歌がこだまし、そこら中で歓声が上がりファン同士での胴上げが始まった。心斎橋付近ではヒートアップした年配ファンの間で口論と揉み合いが起こり、警察が駆けつけて仲裁していた。
「阪神ファンはアホやねん」
道頓堀といえば阪神ファンにとって、甲子園と並ぶ聖地。1985年のリーグ優勝のときには、暴徒化したファンによってカーネル・サンダース像が投げ込まれるなど、以来、“飛び込み”が名物となり、今年は合計で37人が飛び込んだという。スクール水着姿で飛び込む男性もいたなか、戎橋に登場した女性飲食店員のヒロミさん(54)はシュノーケルと水中眼鏡を装着した“ガチ装備”。警察に「今回だけは許して!」と直談判していた──。