国際情報

北朝鮮、中朝国境・鴨緑江のフェンスの下に釘を板に打ち付けた「釘板」を10kmにわたり設置 「脱北の穴場」防ぎに

中国側への脱北を試みる人々が逃げられないように「釘板」を設置

中国側への脱北を試みる人々が逃げられないように「釘板」を設置

 北朝鮮が、中国との国境に接する鴨緑江上流の両江道陽江地区において、鴨緑江岸の国境フェンスや鉄条網の下に、数十本もの尖った釘の先を上にした「釘板」を設置していることが明らかになった。

 同地区では鴨緑江の川幅が狭く、さらに水深が浅いため、泳いでも容易に中国領にたどり着けるといわれるが、市民の脱北を懸念した北朝鮮当局が最近、住民を動員して突貫工事で約10kmの「釘板街道」を建設したという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 この釘板は1枚が長さ2m、幅20cmほどで、これを10km分で5000枚敷き詰めたという。この板には裏から約10cmの釘が数十本刺されており、中国側への脱北を試みる人々が逃げられないようになっている。

 これらの釘板を作るにあたっては、陽江地区の住民1世帯に2枚ずつのノルマが課せられたという。このため、住民は板と釘の代金を払って、さらに報酬なしで釘板を作らなければならず、住民の不満が高まっているという。

 この鴨緑江沿いには人が住んでいない地域が多く、数年前に設置された低木フェンスについても、倒れて破損している部分があり、警備も厳重ではないことから「脱北の穴場」と呼ばれている。

 北朝鮮当局は新型コロナウイルスの感染が終息したことから、今後、脱北者が増えることを見越して、このような「釘板」の設置に踏み切ったとみられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト