中国が世界でも類を見ない空・海・潜水型ドローン搭載の小型空母を開発、昨年末に中国海軍に引き渡され、就航していたことが分かった。米軍が自由航行作戦を展開している南シナ海や台湾近海などで軍事情報の収集に当たるとみられる。
空母に搭載した、これらの無人機を現場海域で運用することで、情報収集や戦闘能力が向上。米軍にとっては少なからぬ脅威となる。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
この小型空母は中国の主要な軍需企業である中国航天(航空宇宙)科学工業集団(グループ)が開発した。全長88.4m、幅13.7mと、中国初の空母の全長304mと比べるとかなり小型だが、ドローンヘリコプターや無人航空機、無人艦船・潜水艦など、数十機を搭載できるという。
中国は小型空母のほかにも、すでに大型無人潜水艦を開発し、南シナ海上の海南省三亜市の中国海軍基地に配備している。小型空母も同基地に配備されており、超大型ドローン潜水艦同様、南シナ海を航行する米軍艦船の情報収集や監視が当面の任務とみられる。
小型空母ならば、小回りが利くだけに、戦時には、さまざまな攻撃方法をとることができるというメリットがある。
製造を担った中国航天科学工業集団は宇宙分野でのロケット開発やミサイルなども手がけており、新たな兵器開発をめぐってアメリカも目が離せない状況だ。