不倫女性とキスをする趙氏(台湾の匿名掲示板PTTより)
プライベート写真は「自撮り」
両者は知り合ってから10年近くの歳月が経過しており、女性は中国共産党統一戦線の何らかの組織に属していたと邱毅氏は指摘する。
台湾のインターネットメディア「風伝媒」は、「公の場では『反中』だったくせに、私生活では『親中』とはお笑いだ。専売特許としてきた反中スタンスも、これで水の泡となった」と厳しく非難。国民党に次ぐ野党第二党の柯文哲・民衆党主席も、民進党を指して「口では反中だが、カラダは親中だ」と述べた。
台湾問題に詳しい在日台湾人ジャーナリストの劉彦甫氏はこう解説する。
「趙天麟は高雄市議時代は『台湾団結連盟』という台湾独立を志向する政党に属しており、中国に対して厳しいと思われてきました。だからこそ、不倫相手が中国籍だったことに、衝撃を受けた支持者もいました。
ハニートラップかどうかはまだ定かではありません。趙氏も当局の捜査に応じると話しており、今後情報漏洩の有無などについては徐々に明らかになるでしょう。一部では2人の間で別れ話が縺れるなど、何らかのトラブルがあり、恨みを抱いた女性側がメディアに売り込んだとの見方もあります。
とはいえ、民進党を批判する台湾の野党や中国がすでに攻撃の材料にし、2024年1月の国政選挙に影響を与える可能性もあります。台湾の対岸にある福建省の共産党機関紙傘下の『海峡導報』は、『民進党は政治家たちの醜聞だらけで、今後数年のうちに戦力を失うだろう。彼らは永遠の与党となることを希望していたが、その夢は必ずや破滅する』と牽制しています」
一議員の不倫スキャンダルが台中間に与えた影響は大きそうだ。