「真っ赤なアロハシャツを着た大柄の男性が、三線を持ってステージに立ったんです。どことなく『BEGIN』を思い出させるような、三線メインのゆるっとした民謡調のイントロで曲が始まりました。
歌に入って驚きました。『BEGIN』と声もそっくりだったんです。えっ!と思って、ステージ上の彼をよく見たら、顔もそっくり! ボーカルの比嘉栄昇さん(55才)の生まれ変わりかと思いました」
沖縄の音楽シーンを席捲する「HoRookies」という4人組バンドの代表曲『結の唄』を聴いた観客の感想である。この男性の正体は何を隠そう、BEGIN・比嘉の長男である舜太朗(24才)だ。HoRookiesではドラム&ボーカルと三線を務め、最近はBEGINのサポートメンバーとしてツアーに帯同することもあるという。“二世バンド”として注目される彼に話を聞いた。
「父に似ているというのは、よく言われます。特に若い頃に、声や顔が似ているみたいですね。でも、ぼくは120kg近くあるので、実際に並ぶと『お父さんは意外とやせてるね』という感想が多いです(笑い)」(舜太朗・以下同)
容姿だけでなく、バンドの楽曲も、どことなくBEGINを彷彿とさせる。
「それもよく言われます。三線を使ったJ-POPといえばBEGINなので、BEGINに似ていると言われるのは、むしろ光栄ですね。曲を作るときには意識しすぎないようにしていますが、影響は確実に受けていると思います」
「BEGINのボーカルの息子」と言われることに抵抗はないのだろうか。
「複雑な気持ちがないといえば嘘になります。親の七光りを理由に、実力を正しく評価してもらえないのが嫌で、3年前まで自分から明かすことはなかったです。でも、BEGINのサポートメンバーとしてドラムを叩くようになってから、受け入れよう、と覚悟を決めました。自分にとってBEGINは、父の存在とは関係なく、好きなバンドなんです。ちなみに推し曲は『三線の花』『誓い』です」
父を超える日は来るか。
※女性セブン2023年11月30日・12月7日号