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看護師が医師の指示なく、エステサロンで水光注射、法律違反で書類送検

(写真/イメージマート)

医師の指示なくエステサロンで水光注射していた看護師が書類送検された──(写真/イメージマート)

 東京都港区にあるエステサロンの経営者で看護師の女が、医師の指示がないのに美容医療の水光注射を行っていたため、警視庁麻布署が2023年10月30日に書類送検した。

看護師が単独で水光注射

 警視庁によると、書類送検されたのは、看護師で会社役員の31歳女。看護師ではあるものの、医師の指示なく、2021年12月4日から2022年6月7日までの間に、5回にわたって港区の店内で利用客5人に水光注射による施術を行ったという。水光注射の施術内容については、9本の注射針を利用者の頬や額に刺し、皮膚に美容液を注入していたと説明している。

 これにより看護師の女は、医行為の禁止について定めている保健師助産師看護師法37条に違反したとして、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金、またはその両方の罪に問われ、書類送検された。

利用者が不審に思い通報

 時事通信などの報道によれば、この女はエステの利用者に水光注射によりヒアルロン酸注入療法やボツリヌス療法の施術を行っていたと伝えられている。利用者は医師のいない状況を不審に思い、警察に通報し、発覚するに至ったという。

 今回のように、エステサロンのような医療機関以外の場所で万が一、美容医療の施術が行われている場合は、違法である可能性を認識すべきだろう。

 また、美容医療にはリスクが伴うことをあらためて認識する必要もある。美容医療の施術に関連したトラブルはこのところ急増し、2022年度は相談件数は3709件と前年度から1000件近くも増加。2023年度も、4~7月の3カ月間だけで1845件に達し、前年同期の945件から倍増近くになった。

参考文献

医師の指示なくヒアルロン酸注射 容疑でエステ経営者の女を書類送検―警視庁

美容医療のトラブル急増、過去最多の相談件数に国民生活センターが注意喚起

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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