国内

宮内庁長官による“皇族との極秘メール”誤爆事件 高度なプライバシーを含む私信が流出、危機管理は大丈夫なのか

天皇陛下の信頼も厚いとも言われる西村康彦長官(時事通信フォト)

天皇陛下の信頼も厚いとも言われる西村康彦長官(時事通信フォト)

「突然長官から届いたメールを開いた職員たちは、みな一様に当惑した表情を浮かべ、パソコン画面と周囲を交互に見比べて首をかしげる様子の人もいたそうです」(宮内庁関係者)

 メールを受け取った宮内庁職員たちの心に浮かんだ言葉は「なぜ、これが」。そして、「果たして、こんなものが転送されて大丈夫なのだろうか」というものだった。2019年から宮内庁長官を務める西村泰彦氏(68才)。警察官僚としては、警視総監の地位まで上り詰め、コロナ禍で宮内庁の事務を切り盛りしてきた。そんな霞が関のエリート官僚が“前代未聞の事件”を引き起こしたと話題になっている。

「西村長官は今年の夏頃、8月にハンガリーへのご訪問を控えていた三笠宮信子さま(68才)とのメールのやり取りを担当職員に転送しようとしたところ、誤ってまったく関係のない職員たちにも転送してしまった。

 信子さまと西村長官が交わしたメールは、ハンガリーに同行する医療スタッフについて、信子さまの要望を聞き取ったものだったそうです。当然、信子さまの健康状態に関する内容も記されており、高度なプライバシーを含んだ私信が、それも宮内庁長官の手によって“流出”してしまったと庁内が騒然としました」(前出・宮内庁関係者)

 本来送るべき相手ではない人に誤ってメッセージを送ってしまう行為を、ネットにおけるスラングでは「誤爆」と呼ぶが、期せずして宮内庁長官の誤爆で私信が漏えいしてしまった信子さま。自民党の麻生太郎副総裁の妹でもある信子さまが、三笠宮家の寛仁親王(享年66)と結婚されたのは1980年のことだ。

「故寛仁殿下は自他ともに認める皇室のスポークスマン役で、特徴的な口ひげから、“ヒゲの殿下”の愛称で親しまれていました。そんな殿下とともに歩まれた信子さまは、1991年に殿下が食道がんを公表すると、1日6食の食事を作って殿下の闘病を支えるなど、献身的に尽くされました。

 ただ、2004年頃からはご自身の更年期障害の影響もあり、公務にお出になることができない時期もありました。殿下との家庭内別居が報じられ、殿下が亡くなられてからは、実の娘である彬子さまとの確執なども報じられています」(皇室記者)

 昨年はご自身も乳がんの手術を経験された信子さま。今回のハンガリー訪問は、そんな信子さまにとって、3年半ぶりの海外訪問だった。

「西村長官も自身の“誤爆”と事態の重大さにすぐに気づいたようで、慌てて『いまのメールは削除してください』と指示していました。多くの職員たちは『間違いだったのか』と長官のミスを受け入れたそうですが、一部には危機管理上、問題があるのではという懸念の声もありました」(前出・宮内庁関係者)

“皇族の声”が意図せず漏れたこともさることながら、今回の誤爆騒動、ほかの皇族の方々にも起こりうる可能性が指摘される。前出の宮内庁関係者もこう警鐘を鳴らす。

「昨今、皇族方もスマホやタブレットをお使いになり、メールなどで連絡をとられるようになりました。仮に天皇皇后両陛下のメールが流出していれば、もっと大騒ぎになったでしょう。今回は、宮内庁内で留まりましたが、民間や国外に漏れてしまう可能性もあったのではないか。

 皇族方の健康状態やスケジュールがこうしたミスによって流出すれば、プライバシーや安全上の観点から、皇族の方々が危険にさらされかねません。宮内庁はひとりのミスと受け流すのではなく、真剣にそして早急に再発防止に取り組むべきです」

関連記事

トピックス

2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン