国際情報

中国海軍がパイロット候補生の採用枠を大学院生まで拡大 パイロット不足に加え専門知識持つ幹部の養成も視野に

海軍飛行隊のパイロット不足が深刻な問題になっているという

海軍飛行隊のパイロット不足が深刻な問題になっているという

 中国人民解放軍海軍は航空母艦の艦載機のパイロット不足などから、高校の男子卒業生や大学卒業の女性もパイロット候補生として採用枠を広げていたが、来年(2024年)の採用計画では26歳までの大学院学位取得見込みの男性まで採用枠を拡大することが明らかになった。中国海軍がパイロット候補生として大学院修了見込みの男性を採用するのは初めて。

 中国海軍は艦載機のパイロットも高度な技術的知識を必要とされており、大学院の学位取得者を採用することで、幹部候補生として育成するとの方針だ。軍機関紙「解放軍報」が報じた。

 今回の措置は、海軍パイロット候補生の募集年齢の上限を24歳から26歳まで拡大し、大学院の学位取得者を採用するためのもの。候補生の条件は大学院の専攻が科学、技術、工学で、「国防に献身し、海や空で活躍し、優れた資質を持つ者」とされている。また、留年や6カ月以上の停学の経験がなく、政治的犯罪歴がないことも条件となっている。

 今年11月から4月にかけて試験が行われ、合格者はその後、海軍航空大学で3年から4年の訓練プログラムを受けることになるという。

 中国海軍は現在、艦船数で世界最大となっており、空母も「遼寧」と「山東」が就役し、3隻目の最新鋭空母「福建」は今年、海上試験が開始される予定だ。

 しかし、3隻の空母の艦載機を操縦する十分な訓練を受けたパイロット不足に加えて、海軍飛行隊のパイロット不足も深刻な問題になっている。

 さらに、大きな問題として浮上しているのが、物理や工学、科学などの専門知識を持った幹部の養成で、今回の大学院学位取得者の採用拡大にはそうした狙いも視野に入れたものといえそうだ。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン