臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、大谷翔平選手(29才)ら著名人と愛犬の関係について。
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「あの犬になりたい」と多くのファンが羨望のまなざしを向けたのは、米大リーグMVP発表中継で大谷翔平選手に抱きかかえられ登場した仔犬だ。かく言う自分も、大谷選手が史上初2度目の満票でア・リーグMVPに輝いたというのに、気になったのは彼が撫でていた可愛い仔犬。世間でも彼の傍らにいた茶色と白の毛色の仔犬に注目が集まっていた。
仔犬は大谷選手が最近飼いだした愛犬だという。犬種はオランダ原産の猟犬種、コーイケル・ホンディエ、通称”コイケル”という絶滅に瀕したこともある珍しい犬種。大谷選手は犬好きで知られている。岩手の実家で飼っていたゴールデンレトリバーの愛犬「エース」への感謝の思いや、2018年秋に右ひじの手術をした際、トレーナーの愛犬「ジギー」とリハビリに励んでいたという話は有名で、これまで何度も犬たちに励まされ、癒やされてきたようだ。
最近、著名人が飼う愛犬に関する話題を目にすることが多い。橋本環奈(24才)と中川大志(25才)のカップルもそうだ。11月20日、NEWSポストセブンは「橋本環奈と中川大志、交際は順調 互いの飼い犬4匹がそれぞれの犬を行き交う生活」という記事を配信していた。2人は大の愛犬家。橋本さんが飼っているのは、ヨークシャーテリアとシュナウザーとトイプードルのミックス犬。中川さんが飼っているのは2匹のフレンチブルドック。互いに遠方への仕事の際は、犬たちを預け合うような”家族ぐるみ”のつきあいだいう。
記事に家族ぐるみと表現されているように、今や犬や猫は家族の一員という認識が広がっている。呼び名もペットからコンパニオン・アニマル(伴侶動物)と呼ばれるようになってきた。飼い主にとって伴侶であり、家族としての絆を持つ彼らには、いくつもの心理的効果がある。その1つが人と人とを結び付けたり、対人的交流を広げたりする潤滑油や緩衝材としての効果だ。橋本さんと中川さんも、交際が順調に続いている背景には、互いの家を行き交う愛犬たちの効果が大きいのだと思う。犬たちを介して互いへの理解も深まっていくのだろう。