警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、生活保護費の支給とヤクザの金銭感覚について。
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群馬県桐生市が生活保護を受給する50代の男性に対して、生活保護費をまとめて支給せず、約2か月にわたって毎日市役所に来るように求め1000円ずつ手渡していたというニュースが出た。男性の支給額は月額約7万円。彼が過去にどんな生活を送ってきたのか、なぜ生活保護に至ったのかはわからないが、毎日、窓口で手渡される1000円では、月に3万円にしかならない。生活は厳しかっただろう。
コロナ禍以降、暴力団組織を抜け、ヤクザから足を洗う組員らが増えていると聞く。だがヤクザをやめたからといって、彼らが生きていくのは大変だ。「カタギになろうとしても一般企業は雇ってくれない。若ければ日雇いの仕事や住み込みの肉体労働もあるが、高齢の元ヤクザには無理。そういう彼らが行きつく先が生活保護。書いたことのない履歴書を書くより、生活保護の申請書を書く方がやさしい」と暴力団幹部は話す。
「日々あくせくしながら、どこかに稼げるネタが転がっていないか目を皿のようにして探し、鼻を利かせていくばくか稼いでも、親分に”いついつまでにこれだけの金がいるから用意しとけ”と言われれば、嫌だとは言えない。稼いだ分を吐き出し、足りない分はなんとか工面する。出した金が返ってくることはなく、いつも金策に追われているような生活を長年続けてきたヤクザにとって、何もせずにもらえる生活保護ほど楽なものはない」(暴力団幹部)
だが桐生市のケースのようでは、いくらヤクザでも生活はできない。
「まとまった金が入らなければ家賃が払えない。それでなくても元ヤクザは住む所を探すのが困難だ。街の不動産屋やネットのサイトで賃貸物件を探しても、元ヤクザとわかれば断られる。家賃を引き落とすための銀行口座はなく、やめても暴排条例の5年縛りで口座も作れない」(暴力団幹部)