「おまんら、許さんぜよ」の決めぜりふから37年。当時の南野陽子(56才)は、将来、自分の夫が逮捕されるとは想像もしなかっただろう。金銭問題、暴行騒動、隠し子と、トラブル続きの不肖の夫を信じ続けた結婚生活がついに終わりを迎えた。
波穏やかな東京湾を望む、隅田川の河口にそびえる高層マンションの一室。夫婦が10年以上の時を共に過ごしてきた部屋に、捜査員たちが慌ただしく足を踏み入れていく。彼らの手で夫の荷物が次々に運び出されていく様を、妻の南野陽子は呆然と見送るしかなかった──。
南野の夫で団体職員の金田充史容疑者(52才)が業務上横領の容疑で静岡県警に逮捕されたのは11月21日。その6日後の27日、
《私事ですが、離婚いたしました。お互いに今向き合うべきことから目を背けることなく、今後の人生を歩んでいきたいと思います》
というコメントとともに南野は離婚を発表し、12年の結婚生活にピリオドを打った。
「金田容疑者は、静岡市内の社会福祉法人『誠心会』の前理事長で、元警察官の迫丸卓哉容疑者(43才)と共謀し、同会の口座から1500万円を自らの関係会社の口座に送金し横領した疑いが持たれています」(全国紙社会部記者)
2011年3月に結婚した南野と金田容疑者。その直後から、金田容疑者をめぐる金銭トラブルが幾度も報じられるようになる。
「結婚翌月には医療関係の会社社長に投資話を持ちかけて4億8000万円をだまし取った疑いが報じられました。その後も金田容疑者が事務局長を務めていた東京・赤坂のクリニックでの横領疑惑や東京・銀座のクリニックでの使途不明金の発覚が相次ぎ、今年8月には山形県の学校法人の理事長が、理事を務めていた金田容疑者に4200万円の借金を背負わされたとして彼を告発しました」(前出・全国紙社会部記者)
疑惑が報じられたクリニックの元関係者は「クリニックの事務局長や法人の理事長などとして入り込み、資金を私的に流用するのが彼の常套手段だった」と語る。
「関西出身で人当たりがよく、人を惹きつける魅力がありました。それに、ことあるごとに“カミさんが”“カミさんが”と言って、南野陽子さんの話をするんです。実際に南野さんがクリニックを訪れることもあったので、彼の指示やお金の動きに疑念を抱いても“まさかそんなことはないだろう”と思い込んでしまう。南野さんの夫でなかったら、もっと早い段階で疑いを強めていたでしょう」(前出・クリニックの元関係者)
2018年3月に金田容疑者から暴行を受けたことを告発し、被害届を出した元運転手もこう証言する。
「見た目よりも優しそうで、従業員に対するケアも手厚く、“人の気持ちがわかる”経営者だと思っていました。ところが、次第に言葉遣いが荒くなり、理不尽な理由で平手打ちなどの暴力を受けるようになりました。1時間正座をさせられたり、丸坊主にされたりしたこともあります。
ただ、南野さんとは夫婦仲がとてもよさそうで、“今日はカミさんと出かけるから”という話もよくしていましたね。私からすれば、どうして南野さんはこんな男と……と不思議でならなかったです」
たびたび金銭トラブルが報じられる不肖の夫。それでも南野は彼を信じ、周囲の声に耳を貸さなかったという。