芸能

《騒動拡大》『24時間テレビ』募金着服に怒りが広がる理由 視聴者が抱いていた「番組のあり方への疑問」に再点火も

元内閣情報調査室トップが日テレに(時事通信フォト)

『24時間テレビ』募金着服問題が騒動に(時事通信フォト)

 日本テレビ系列のテレビ局「日本海テレビ」元幹部社員が、チャリティー番組『24時間テレビ』の売上金や寄付金を着服していた問題。騒動は収束せず、ネットを中心に怒りの声が大きく広がっている。これだけ怒りが広がる“問題の核心”について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 28日、日本テレビ系列の日本海テレビは、元経営戦略局長が売上金など計1118万2575円を着服し、懲戒解雇処分にしたことを発表しました。

 騒動を大きくしているのは、その中に『24時間テレビ』の寄付金264万6020円が含まれていたこと。しかも2014年から2020年の7年連続とコロナ禍の2年をはさんで今年の計8回にわたる着服でした。

 元局長は全額返還する意向のようですが、13年連続で同番組の総合司会を務める羽鳥慎一さんは『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で「ありえません」と断罪。さらに「何なんだこの人は」「単なる着服では済まされない」「怒りを感じております」などと、いつになく厳しい姿勢を見せました。

 羽鳥慎一さんら関係者も、世間の人々も、なぜこれほど怒っているのか。「鳥取のいちテレビ局員が着服しただけ」の話に見えますが、それ以上に怒りが募ってしまう5つの理由をあげていきます。

募金をめぐる甘さ、杜撰さ、闇深さ

 1つ目の理由は、“人のお金や善意を預かること”に対する認識の甘さ。多くの人々から預かった募金の着服は、自社のお金の以上に大切に扱い、着服は絶対に防がなければいけないものであり、それを許してしまった責任は重いものがあります。

 しかも罪深いのは着服されたのが、「愛は地球を救う」というコンセプトに対して寄せられた善意に基づくお金であること。「善意を踏みにじる」という行為は、単に『24時間テレビ』の問題だけでなく、募金や寄付そのものに対する疑いが出るなどの悪影響が不安視されます。

実際、ネット上には、「コンビニやスーパーの募金箱や街頭募金も本当に寄付されているのかなと思った」「現金持ち寄りによる募金活動はこの先成立しない」「クラウドファンディングの中にもあやしいものがある」などの声があがっていました。

 2つ目の理由は、募金管理の杜撰さ。元局長は募金終了後、本社内の金庫で保管していたお金の一部を自らの銀行口座に入れていました。しかも「金額の計算は保管する際ではなく、金融機関に預けるときに行う」「金庫の鍵は元局長が使える状態だった」という穴だらけの管理方法を長年続けていたことが人々の怒りを買っています。

 近年は企業活動の透明性や可視化が当然のように求められる時代になりました。「募金額もネット上で即時公表したほうがいい」という声もあがっているだけに、時代錯誤な管理方法が怒りにつながったのかもしれません。

 3つ目の理由は、発覚の経緯と闇の深さ。今年同局への税務調査があることを知った元局長が発覚を恐れて11月初めに自ら申告し、社内調査の過程で募金の着服も明らかになったそうです。

「元局長が自らの罪を反省したのではなく、保身から申告したこと」は言語道断ですが、注目すべきは「もし会社の売上金を着服せず、募金だけの着服だったら、今なお発覚しなかった可能性が高い」こと。前述した管理方法では正確な募金額を調べるのが難しいだけに、「発覚していない募金の着服があるかもしれない」という闇を感じさせられます。

1人の罪で終わらせることへの疑問

 4つ目の理由は、今回の問題を“ローカル局のいち局員の罪”だけで終わらせようとしていること。2014年以前は着服がなかったのか。認識が甘く管理が杜撰なのは日本海テレビだけなのか。

 前述したように、現金を持ち寄ることの多い『24時間テレビ』の募金は、局の売上金などよりも着服が発覚しづらいだけに、「日本海テレビはもっとさかのぼって調査すべき」「日本テレビ系列全体で調査したほうがいい」などの声があがっています。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン