「ロッカールームで下半身を露出させられた」「平手打ちされた」──複数の若手選手が訴えの声をあげた楽天・安楽智大(27)の「パワハラ問題」が新たな展開を迎えた。
「被害相談を受けてチームは、全選手やスタッフ約100人にアンケートを実施。その結果、球団はハラスメント行為は『ほぼ事実』と認め、契約更改交渉が無期限延期の状態にあった安楽は自由契約となりました。つまり“クビ”です」(スポーツ紙デスク)
2013年のセンバツ甲子園で772球を投げて済美(愛媛)を準優勝に導いた甲子園のスターが選手生命の危機に陥っているわけだが、その“第一報”はスポーツ各紙が「11月25日の午前3時」に記事をネット配信するかたちで足並みを揃えた。
「各社は若手選手の訴えを把握した球団側からも情報を得ていたとされますが、日程的にどこも“抜け駆け”を自制したようです。23日はファン感謝デー、24日は新入団選手発表で水を差せない。25日は安楽の契約更改交渉が予定されていたので、当日の早朝なら球団にも悪くないタイミングだったのでしょう。結果、第一報が横並びになったと聞いています」(スポーツジャーナリスト)
ただ、そうして同じタイミングで出た記事のなかで、“独自情報”を載せたのがスポーツ報知だ。25日早朝の配信時点では、安楽が後輩選手の下着をずらした現場に〈田中将も居合わせていたという証言もあり「その状況を見て笑っていた」と話す選手もいた〉と記載していた。チームの大黒柱がパワハラを容認していたとする報道だが、その後、文言の一部が削除され、〈田中将も居合わせていたという証言もある〉という記述に修正された。前出のスポーツ紙デスクが語る。
「パワハラ疑惑が報じられた後、楽天は球団ホームページ上で安楽関連の報道について、〈一部選手の掲載もあり誤解を生むような報道もなされております〉と掲載。それを受けて報知が自主的にトーンを弱めたのか、楽天サイドから削除要請があったという話もあります」
記事を修正した理由について、スポーツ報知に聞くと「個別の記事や編集に関する経緯、また取材源にかかわることについては、従来よりお答えしておりません」(報知新聞社企画本部)とするのみで、楽天は「抗議の事実はございません」(広報部)とした。
球界の大スターに余波が及ぶなか、騒動はどのような結末を迎えるのか。
※週刊ポスト2023年12月15日号