芸能

【メディア初インタビュー】西城秀樹さん長男・木本慎之介さん「父と比較されることを覚悟の上で歌いたい」

慎之介さん

慎之介さんは「父(西城秀樹さん)と比較されることを覚悟の上で歌いたい」とも

 西城秀樹さんの急逝から5年半が経過。当時中学3年生だった長男の木本慎之介さんは二十才を迎え、父と同じ道を歩み始めた。大スターを父に持つがゆえの葛藤と覚悟。芸能界デビューを目前に控えた慎之介さんの、メディア初インタビュー。【前後編の後編。前編を読む

 * * *
 西城さんが亡くなった翌年、慎之介さんはサッカーの強豪高校に進学。プロになることを目指して練習に打ち込んだが、チームメートのレベルの高さに圧倒された。

「2学年上にめちゃくちゃうまい先輩がいたのですが、その人でも高校卒業後にプロになれなかったんです。現実を知ったぼくは高校2年のときにサッカーの道を諦めました。自分がやるべきものはほかにあると思い始めていたんです。自分に何ができるのかを真剣に考えるなかで、“もう一度、音楽がやりたい”と思うようになっていました」

 それから慎之介さんは、ドラムのレッスンを再開し、ボーカルのレッスンにも通い始めた。同時期に、日本一のイケメン高校生を決める『男子高生ミスターコン2021』にも応募した。

「ミスターコンは何回も審査があり、その過程でぼくは父の名前を一切出していませんでした。ですが、3次審査あたりで、明らかに父のことがバレた感じがあったんです。これでは正当に評価されないだろうと、選考の途中で辞退させてもらいました」

 父と同じ芸能界を目指すことに母は当初、猛反対した。「甘い世界じゃない」「大学には行きなさい」と諭され、慎之介さんは高校卒業後、大学に進学。だが、音楽への情熱の灯は消えなかった。

「父に歌を教えてもらいたかった」

 学業の傍ら養成所に通い、技量を磨き続けた慎之介さん。その本気度が母親にも伝わり、今夏、音楽の道に進むことを認めてくれたという。

「ぼくはずっと自分のことを話すのが苦手だったんです。口下手というか。でも、歌は自分の内面や感情を歌詞にのせるじゃないですか。歌を始めたことで、自分がどんどん変わっていったんです。感情を表に出せるようになった。母はそういう変化も見てくれていたんだと思います。そうと決まれば、家族に負担をかけたくないし、退路を断つという意味で、大学は中退しました」

 慎之介さんにとって本気で歌と向き合う上で、父親の存在は避けて通れなかった。

「邦楽も洋楽も昔のものを好んで聴いているんですが、父がカバーしていることも多くて、聴いてみて驚きました。ピッチは絶対に外さないし、何より歌唱力が圧倒的。そこから父の曲をすべて研究し、『夜のヒットスタジオ』などの出演番組も全部見ました。好きな曲もどんどん増えて、『薔薇の鎖』や『ブルースカイ ブルー』は名曲中の名曲ですね。

 だからいま、本気で後悔しています。もしタイムマシンで過去に戻れるなら、ずっと父のそばにいて歌を教えてもらいますよ。病気で亡くなる前に、もっと父からいっぱい教えてもらいたかった……。いまは毎日、父の仏壇に向かって、“上手に歌えるようにしてください”と手を合わせています」

 最近では、自分が知らない生前の父を知りたいと思うようにもなった。西城さんが通っていた飲食店に出向き、店主に父との思い出話を聞いて回っているのだという。歌だけでなく西城さんのすべてを感じたくなった慎之介さんは、インタビューに応じたこの日、特別な“勝負服”を着ていた。

「このレザーのジャケットとパンツは父の“おさがり”なんです。八王子のイベントでもそうでしたが、最近は大事な場所に行くときは、父の服を着ると決めています。ぼくの方が身長が7cmほど低いので、かなりオーバーサイズですけどね」

 来るデビューに向けて研鑽を積む日々だが、焦る気持ちはないという。

「ぼくの場合、どうしても“七光り”とか“二世”と批判めいたことを言われるだろうし、父と比較されもするでしょう。それは覚悟の上。それでも歌いたいんです。でも、実力がないのに“西城秀樹”の名前を借りて世に出るのは違うと思っています。努力を重ねて誰もが納得する形でデビューしたい。生意気かもしれませんが、それがぼくの目標です」

 父の背中を追って芸能界へ進む決意をした慎之介さん。西城さんも天国で目を細めていることだろう。

(了。前編から読む

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン