「マスクにメガネ姿でしたが変わらずお綺麗で、大女優のオーラがありましたね。駅ビルの中ではひっそりと列に並び、ご自身でSuicaにチャージもしていました。吉永さんでもSuicaを使っているんだなと、ちょっと意外な気もしましたが、サラダやお総菜など、晩ご飯のお買い物をされていたようです」(目撃した通行人)
喜寿を過ぎた現在も、日本映画界で燦然とした輝きを放つ吉永小百合(78才)。そんな大女優がJRのICカード乗車券「Suica」を慣れた様子で使っていたのは、11月中旬のことだった。黒の上着に黒のバッグ、足元はスニーカーというカジュアルな装いの吉永が向かった先は、都内の音楽スタジオ。
「ずっと続けている水泳のほかに、いまも定期的にボイストレーニングに通っているそうです。2022年、歌手活動60年を迎え、いつまでも歌い続けるための準備を怠らない姿は、吉永さんらしいといえます」(芸能関係者)
60代以降、喉の筋力は急激に衰える。歌うことで喉まわりの筋力が刺激され、健康寿命を延ばす効果もあるといわれる。
「コロナ禍以降のマスク生活で口の動きが鈍ったこともあり、吉永さんは口まわりの表情筋を鍛える体操にも取り組んでいます。また、彼女のお父さんは、食べ物を喉に詰まらせる事故で3か月ほど心臓だけ動いている状態になり、亡くなっているんです。だからこそ、人一倍、喉を鍛えることの重要性を感じているのではないでしょうか」(前出・芸能関係者)
1時間の料金は約2000円。室内の大半をピアノが占領する狭い小部屋にこもり、歌い続けること約2時間。冒頭のシーンは、そんな吉永が“孤高のボイトレ”を終えた後の場面だ。また、彼女は数年前に、女優としての“ある決意”を示していたという。
「海外映画祭で受賞経験もある有名映画監督が、大切にする原作の企画を持って吉永さんを訪ねたそうです。ただ、オファーされたのは認知症になり、すべてを忘れていく役でした。吉永さんはずいぶん悩んだ末に、結局、断ったそうです。認知症という役柄に抵抗があったようで、いくら演技とはいえ、吉永小百合という“ブランドは崩せない”という思いが彼女にはあるのでしょう」(映画関係者)
いまも撮影開始の3時間前には現場入りし、撮影中は一切座らないという吉永。彼女のストイックな姿勢には、2018年に亡くなった樹木希林さん(享年75)の生き様も影響を与えている。
「同世代の希林さんが、亡くなる直前まで映画に出演されていたことに刺激を受けたそうです。以前は『どこでピリオドを打つか』という思いがあったそうですが、希林さんの姿をみて、『もうちょっと私はやるべきなんだ』と話しています」(前出・映画関係者)