スポーツ

綱取りに挑む大関・霧島の「陸奥部屋」が後継者選びに難航し閉鎖の危機 背景にある「年寄名跡不足」の問題

横綱昇進に挑む大関・霧島(左)と師匠の陸奥親方(時事通信フォト)

横綱昇進に挑む大関・霧島(左)と師匠の陸奥親方(時事通信フォト)

 11月場所で2度目の優勝を果たし、年明けの1月場所で横綱昇進に挑む大関・霧島(27)。その師匠の陸奥親方(元大関・霧島、64)は来年4月に65歳の定年を迎えるが、部屋の後継者選びが暗礁に乗り上げ、存続が危ぶまれているというのだ。若手親方が言う。

「この話が浮上したのは九州場所中のことです。陸奥親方が部屋をたたむと明言したわけではないが、福岡国際センターの会場内で一部の親方衆の間でも部屋が閉鎖されるという情報が盛んに囁かれていた。時津風一門の関係者が多く出入りし、陸奥親方の弟弟子の元力士がやっている博多のちゃんこ店でも噂になっていた。それで情報が一気に広がった」

 陸奥部屋の所属力士は11人。鶴竜親方のファンだという新弟子が今年の3月場所で内弟子のようなかたちで1人入門したが、5月に発覚した部屋内での暴力事件の加害者はじめ、力士の廃業が続いている。部屋付き親方は立田山親方(元前頭・薩洲洋、66)、浦風親方(元前頭・敷島、52)、鶴竜親方(元横綱、38)の3人。時津風一門関係者はこう話す。

「3人の部屋付き親方のうち、立田山親方は定年後の再雇用の参与という立場で、部屋を継承する権利がない。また、部屋を継ぐうえで必須となる年寄名跡取得の目途が立っていないので、鶴竜親方も継げない。残るひとりが浦風親方ですが、本人が“自分は顔じゃない(分不相応)”として断わったという。そうして後継者が見つからないため、このままでは部屋を来年3月で閉鎖せざるを得ない状況だといいます」

 大関の霧島が来年1月場所で優勝すれば、3月場所は横綱として土俵に上がることになるが、その直後に部屋が消滅してしまう事態が懸念されているのだ。協会関係者が言う。

「部屋の将来についての浦風親方との話し合いが11月場所中に行なわれたようです。もちろん部屋内の力士たちの耳には入っている。霧島が優勝できたのは、恩人である師匠の部屋の力士として横綱昇進を果たし、恩返ししたいという思いもあってのことでしょう」

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン