ライフ

【現役医師座談会】「とんでもない患者」いる 要注意患者の情報を共有する“ブラックリスト”も存在

 人の体の不調を取り除く医師は、常に世間から尊敬される存在だが、医師といえどもひとりの人間。患者に対する好き嫌いがあっても不思議ではない。医師が全力で治そうと思う患者はどんな人なのか? もしくは手抜きをしたくなる患者は、何がいけないのか? 4人の現役医師が忌憚なく語る。【全4回の第3回。第1回から読む

2024年4月から実施される「医師の働き方改革」によって急な対応が難しくなったり、患者ひとりに割く時間が少なくなったりする可能性は大いにある(写真/PIXTA)

“ブラックリスト”も存在(写真/PIXTA)

【座談会参加者】

座談会に参加した医師ら

座談会に参加した医師ら

A男さん(43才)/内科医。総合病院で高血圧をはじめとした生活習慣病の治療に従事。

B子さん(47才)/皮膚科医。大学病院での勤務を経て父の跡を継ぐ形で個人クリニック院長に。

C夫さん(51才)/外科医。大学病院でがん手術にあたる。

D美さん(31才)/産婦人科医。総合病院で妊娠・出産や、婦人科系疾患に携わる。

 * * *
C夫:いやらしい話ですが医師仲間の人脈は重要ですよね。紹介状といえば、少し前にとんでもない患者がいて……。私宛ての紹介状を持って受診しに来たのですが、初診で「NHKの『プロフェッショナル』に出演していた先生に診てほしいから、その先生に紹介状を書いてください」とおっしゃる。ちなみに私を紹介した医師は、大学時代の後輩です。彼は、私に診てほしいから紹介状を書いてほしいと頼まれたそうです。

B子:それって、C夫さんにはもちろん、後輩の先生にもすごく失礼ですよね。紹介状一枚書くのだって、手間も時間もかかるわけですし。結局、その後どうしたんですか?

C夫:希望通り、書いて差し上げました。断ってぼくが診ることになったとしても、一度そんなことを言われた患者さんとは、信頼関係が築けないですから。

A男:医師と患者で立場は違えども、同じ人間同士だから信頼関係は本当に大事。ぼくがいちばん信用できないのは、ほかの医師の悪口を言う人です。患者さん側にも言い分があるでしょうし、こちらを褒めているつもりなのかもしれませんが、完全に逆効果。

D美:同じ医者として不快になりますよね。自分もどこかで言われているんじゃないかと身構えるし、ちょっとしたやりとりでも、“患者さんは悪く受け取っていないか”なんて考えて、治療に集中できない。特にいまはすぐに病院や医師への批判をネットやSNSに書き込めますし……。

B子:ネットの口コミは怖いですよね。皮膚科では、じんましんや湿疹などしばしば原因が瞬時に特定できないケースが出てくるのですが、半年くらい前に来院した患者さんから「医者なのに病名も原因もわからないなんておかしい」と強く責められたことがあって。医学書まで見せて粘り強くご説明したのですが、結局わかってもらえず、後から口コミサイトを見たら「やぶ医者」と書き込まれていました(苦笑)。

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン