中国の銀行大手、中国銀行の広東省内の支店で23億元(約462億円)を横領し、20年以上も米国などに海外逃亡していた銀行支店長に対して、中国広東省の江門中級法院(地裁に相当)は12月13日、無期懲役の判決を下した。中国の銀行員の犯罪としては、1949年の中華人民共和国建国以来、最大の横領額となった。中国メディアが報じた。
判決文によると、開平支店の支店長だった徐国俊は1993年から2001年にかけて、副支店長と主任と共謀して、米ドル、香港ドル、ドイツ・マルクなどの外貨を自分たち名義の銀行口座に振り込むなどして横領した。
中国銀行本店が定期監査で、江門支店の口座に多額の欠損があることを発見し、横領が発覚。そのため、3人は2001年に香港やカナダに逃亡し、最終的に米国内に潜伏していた。
中国公安省は2002年、徐ら3人を国際刑事警察機構(インターポール)に捜査依頼して国際指名手配した。副支店長と主任はそれぞれ2004年と2018年に中国に送還され、その後、それぞれ懲役13年と懲役12年の判決を受けた。徐は2021年に米国から身柄を引き渡されるまで、20年間逃亡していた。
事件を捜査した中国共産党中央規律検査委員会によると、当局および中国銀行は、横領された資金のうち20億元(約393億円)以上をすでに中国国内外から回収したという。