毎朝8時、私たちの心を熱く震わせてくれるNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』。ヒロイン・スズ子(趣里)のひたむきな姿を応援し続けてきた週刊ポストに、ついに出演者たちが登場。大阪の「梅丸少女歌劇団」を支える大熊社長を演じた升毅(68)、男役トップスターで後輩を厳しく指導する橘アオイを演じた翼和希、タップダンスの名手でスズ子と共に東京へと進出した秋山を演じる伊原六花(24)──3人が『ブギウギ』の魅力を語りつくした。【全3回の第1回】
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升:僕はもう撮影はとっくに終わっていたけど、お2人は久しぶり?
翼:ちょこちょことテレビでご一緒させていただいたりとかはありました。
伊原:番宣とかありましたけど、久しぶりですね。
翼:升さんは『ブギウギ』が朝ドラ9作目の出演なんですね。すごい……。
升:長いので(笑)。
翼:私はテレビドラマに出演すること自体が初めてで、まずはOSK日本歌劇団(梅丸少女歌劇団のモデルで翼が所属する歌劇団)のことを皆さんに知ってもらおうという心構えでした。何とか爪痕と傷跡を残そうと。気合いだけで挑んだ感じです。
伊原:今回、私は「男役」と「タップダンスの名手」という、今までにやったことのない2つの要素がありました。クランクインの4か月前から稽古を始めて、男役の所作は翼さんに一から教えてもらいました。
升:昔、男役の方と共演した時に「私のほうがかっこいい」と言われて、「はあ?」と思って見ていたら、やっぱりかっこいいんですよ。握手ひとつとっても「そこまで大仰な動作でやっていいんだね」って感じで、逆輸入して取り入れてました。
伊原:見ていて思ったのが、娘役さんは華やかに上半身で表現されたりするのですが、男役さんは落ち着いたイメージで、胸から下で振り付けをすることで余裕のある感じが出て……。盗みながら研究していました。
翼:もう、ずっと休まず稽古してはりました(笑)。
伊原:OSKの皆さんがされている先輩や目上の方への接し方やルールも教えてもらって、自分の中では新しい挑戦もありつつ、撮影前に稽古ができる時間というのがすごく有意義で、そこでチーム感のようなものはできたなと思いました。
升:僕はというと、あの時代の社長の所作とかを研究して……(笑)。台本上はそんなに言葉数は多くない人だったので、表情だったり、背中だったりで気持ちが出てくるような表現が必要な人なんだなというイメージを作って撮影に入りました。