白いかすみ草や胡蝶蘭でいっぱいの祭壇。中央に飾られた写真の男性は、穏やかな笑みを浮かべていた。2023年12月11日、都内のホテルで、10月8日に逝去した谷村新司さん(享年74)のお別れの会「喝采」が開かれた。
「発起人は加山雄三さん(86才)や湯川れい子さん(87才)ら。アリスで谷村さんと一緒に活動した堀内孝雄さん(74才)など約600人が出席し、最後は全員で谷村さんの代表曲『昴』を歌って故人を送り出しました」(スポーツ紙記者)
谷村さんを慕った芸能界の面々が揃う会場内で、ひときわ沈んだ表情を見せていたのは、山口百恵さん(64才)と三浦友和(71才)の長男で歌手の三浦祐太朗(39才)だ。谷村さんと百恵さんの縁は、あの名曲が誕生する少し前から始まっていた。
「1976年頃、アリスと百恵さんの舞台照明チーフが同じかただったという縁で、その人を通じて連絡先を交換したのが、交流のきっかけでした。その後、国鉄のキャンペーンソングとして谷村さんが作詞作曲した曲を聴いた百恵さんは『すっごくいい。歌いたい』と即答した。それが『いい日旅立ち』でした」(音楽関係者)
1980年に百恵さんが芸能界を引退してからも、谷村さんと三浦家の交流は続いた。
「おふたりは家族ぐるみのつきあいで、谷村さんが幼い祐太朗さんに得意のお好み焼きを振る舞ったこともあったそうです」(テレビ局関係者)
谷村さんにとって、幼い頃から面倒を見てきた祐太朗は、かわいくて仕方がない存在だった。
「2015年に歌番組で谷村さんと祐太朗さんがともに『いい日旅立ち』を熱唱したことがありました。祐太朗さんが百恵さんの曲を公の前で歌うきっかけになった番組なのですが、これは谷村さんの優しさによるものでした。当時、ミュージシャンとして伸び悩んでいた祐太朗さんを思い、谷村さんが特別にコラボを承諾したのです」(前出・音楽関係者)
また、2018年に行われた東日本大震災のチャリティーコンサートにも、谷村さんの推薦で祐太朗が登場した。
「いまや、祐太朗さんは百恵さんの曲のみを収録したカバーアルバムを発売したり、ライブで堂々と百恵さんの曲を披露していますが、きっかけを作ったのは谷村さんだったのです」(前出・音楽関係者)