北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の肝いりで都市開発が行われ、今年4月に完成した平壌の高級住宅街、華城地区の30階建て高層マンションにコンビニエンスストアが開店した。他の国営商店では取り扱っていない食料品なども取り扱っているという。
北朝鮮ではかつて外国資本のコンビニは存在したが、10年ほど前に閉店している。今回オープンしたコンビニは、国営商店の品物に比べて値段が高く、閑散としているという。
米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」によると、平壌市華城地区は金総書記が2021年1月の第8回党大会で5万戸の住宅を建設するとの都市開発計画(2021-2025)を提示した地域。今年4月には30階建ての高層マンションが数棟、15階建てのマンションも数棟建設されたと伝えられた。
この最新式のマンションには軍人や退役軍人、党や政府幹部ら特権階級に優先的に割り当てられているという。
コンビニは高層マンションごとに併設されており、コメ、キムチ、ごま油や大豆油などの生活必需品のほか、惣菜や菓子なども販売されている。
国営商店の商品は値段が一定の統制価格だが、コンビニの商品はこれとは違って、需給次第で値段が設定されるため、通常の数倍から10倍になるものもあるという。
またコメなどの必需品も国営商店で買う方が安く、コンビニを避けて国営商店で買い物をする住民が圧倒的に多いという。高給を得ているはずのエリートたちが住む街とはいえ、出費にはシビアなようだ。