《うーん。芯、かな。絶対ぶれたくない》──これは、写真集『羽生結弦 孤高の原動力』(2023年11月11日発売)のインタビューで、自身を「漢字一文字で表すと」と聞かれた羽生結弦(29才)の回答である。
その言葉通り、2024年も新年早々『RE_PRAY』の佐賀公演を控え、3月からは「被災地から希望を発信」をテーマにしたアイスショー『notte stellata 2024』の開催を予定する。スケートを始めたのは4才。25年後の現在まで変わらぬ情熱で滑り続ける羽生は、かねて「スケートのためだけの選択をしていく」と宣言したように、ぶれない。
「2023年8月に結婚を、そして11月に離婚を発表したスピード感には驚きましたが、これも彼がスケートを第一に考えている証拠です。結婚生活は過去のことで、今後、彼が元妻について話すことは一切ないでしょう」(スポーツライター)
まさに「芯」の通った決断──か、どうかは個人の受け取り方次第だろうが、孤高の人ゆえ、周囲が戸惑うこともあるのかもしれない。実は最近、羽生の周囲では不測のトラブルが頻発していた。羽生の29才の誕生日に合わせて発売予定だった写真集が、わずか2日前の2023年12月5日に、発売延期になることが発表されたのだ。
「羽生さんのプロ転向後1年間のアイスショーなどでの姿をまとめたもので、長年羽生さんを担当してきたスポーツ新聞のカメラマンであるK氏が撮影しました。K氏は羽生さんの熱心なファンからも認知されており“Kさんの写真にはゆづの繊細さと美しさが表れている”と評判の名物カメラマンです」(スケート関係者)
写真集には未発表写真も収録されており、ファンは羽生のバースデーを祝うとともに発売を待ち望んでいたという。それだけに、突然の発売延期に落胆の声は大きかった。一般的に言えば、発売2日前の延期発表は異例中の異例。K氏はSNSで《楽しみにお待ちいただいた皆さまに謹んでお詫び申し上げます。必ずいいものにいたします。どうか、今しばらくの時間をいただきたく思います》と謝罪を発表するほどだった。
羽生と出版物をめぐる緊急事態はほかにもあった。2023年12月20日、アーティスト集団「CLAMP」と羽生がコラボした絵本が発売されるが、当初は同年9月1日の発売予定だった。3か月以上も延期されていたのである。立て続いた出版延期に、ファンの間では羽生のビジネスを心配する声も。前出のスポーツライターが続ける。
「それらの延期は、羽生さんサイドの責任というよりは、メディア側に発生した問題が原因のようです。ストイックなアスリートであり、アーティストでもある羽生さんが、自分にかかわる創作物に高い芸術性や完成度を求めるのは当然のことです。芯の通っていないものは、羽生の名前にふさわしくない。
その期待に応えられるよう、メディア側も高いクオリティーのものを制作しようとしていたようですが、自分たち自身で高すぎるハードルを設定してしまったようですね。半端なものでは、羽生さんサイドもファンも満足できないことはわかっていますから、ストイックにこだわった結果、袋小路に入り込んでしまったということなのでしょう。